肌に負担をかけず、メイクを落とし切る「正しいクレンジング」をおさらい
美しい肌を保つには、与えるケアだけでなく、落とすケアも大切です。特に、肌の状態を左右するのがクレンジング。肌に合った方法で行わなければ、乾燥や角栓の発生などトラブルにつながることも。今回は、皮膚科医の赤池智子先生に「正しいクレンジング」について教えていただきました。
クレンジングで大切なのは、まずは汚れをきちんと落とすこと。そして、洗顔後の正しい保湿だといいます。
「私たちの肌は乾燥すると、皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されます。洗浄力の強いクレンジングは肌が必要とする皮脂まで落としてしまい、乾燥を招くことも少なくありません。
ですが、メイクが落ちていないと、そもそもその後の化粧水などのケアをしても肌に浸透せず、残っているメイクが毛穴を塞ぎ、ニキビやその他の肌トラブルの元になってしまいます。メイクはしっかりと落とし、その上で乾燥によって皮脂が過剰に分泌されないように水分を与え、バランスを保ちましょう」(赤池先生、以下同)
洗浄力の高いクレンジングといえば、オイルクレンジング。汚れは落ちやすい一方、乾燥してつっぱるのが気になる方も多いでしょう。そこで洗浄力の低いミルクタイプやクリームタイプを使ってみると、今度は汚れが落ち切らず、肌にメイクが残ってしまうケースもあるようです。
洗顔後に小鼻の周りなど汚れが落ちにくい場所や毛穴にまだファンデーションが残っていることも。今一度、洗顔後の自分の肌を観察してみてください。
「皮脂を落としすぎるクレンジングはよくないけれど、落とし切れないのはもっとよくありません。クリームクレンジングを使ってみたことがありますが、私にはメイクが落ち切らない感覚がありました。
きちんと落とした上で、化粧水などを十分に肌に入れ込む保湿ケアをしたいですね。
クレンジングでメイクを落としたあとに、洗顔料で顔を洗うダブル洗顔をする方もいれば、クレンジングのみ、洗顔料のみで終了する方もいるようです。賛否両論あるけれど、一体どちらが正しい……?
ダブル洗顔の必要性について赤池先生に伺ったところ、「どちらかだけでも落とし切れているなら問題ありません。落とし切れていなかったり、トラブルがあったりする場合はダブル洗顔をおすすめします」とのこと。
スキンケアにはごしごし擦るなど、「絶対に避けてほしいケア」はありますが、「100%正解のケア」がなく、人によってベストなやり方は異なります。自分の肌に問題がなければその方法を続けてよいそうです。ただし、トラブルがあるようなら、これまでの自己流ケアが本当に正しいのか、見つめ直してみてください。
クレンジングのポイントとなるのが、肌になじませる前のひと手間。
「一番いいのは、スチーマーで蒸気を顔に当てること。クレンジング前に肌に水分をたっぷり与えてメイクを浮かせてから、クレンジングを肌にのせてくるくるとなじませましょう。メイクを落とす際にかかる摩擦の負担が軽減されますよ」
スチーマーがない場合にメイクを浮かせるには、ホットタオルを使ってもよいのだとか。清潔なタオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジで30秒〜1分程度加熱。
やけどしないように軽く冷ましてから顔にのせます。こうして1〜2分スチーム効果を与えるだけでも負担が抑えられるようです。さらに、ほっとできるリラックス効果もあるのでおすすめです。
「多忙なDRESS世代の女性にとって、毎日お手入れを続けるのは大変なもの。無理なくできる正しいケアを続けることが大切です」
疲れている日は、湯船に浸かりながら湯気をスチーマー代わりにするのもOK。これなら残業の日や育児中のママでも、気軽にできるのではないでしょうか。
アイメイクはポイントメイクリムーバーの使用を推奨しているという赤池先生。涙や汗でにじみにくくするために落ちにくいアイテムが多いことから、専用のポイントメイクリムーバーで落としてからクレンジングを行うほうがよいそうです。
「目の周りの皮膚は、非常に薄いです。擦ることで炎症が起きてしまうと、色素沈着の原因にもなります。擦る必要がないようにポイントメイクリムーバーを使い、擦らずやさしく落としてあげてくださいね」
洗うときはお湯の温度にも注目を。
お風呂で洗う場合によくあるのが、シャワーを当てて洗うこと。シャワーの水圧は思った以上に強いので、できれば手で優しく洗い流すのがベスト。ただし、シャワーの温度を下げて水圧を弱めるのであれば、シャワーで洗っても問題ないそうですよ。
赤池先生はDRESS世代の肌タイプを大きく下記の3つに分類。詳しくは「DRESSな女の『真の肌質』チェックリスト」もご覧ください。
・極度乾燥肌タイプ
・乾燥脂混合肌タイプ(極度乾燥肌タイプが、脂が出て悪さを始めているタイプ)
・普通肌タイプ(問題ない肌)
クレンジングの基本はいずれのタイプも同じですが、肌タイプ別に注意したいポイントがあるようです。ここでは、それぞれのポイントについて見てみましょう。
極度乾燥肌タイプの方は、メイクを変えてみるのも方法のひとつだそう。
「乾燥によって化粧ノリが悪くなると、クリームファンデーションやコンシーラー、パウダーなどでしっかり隠すメイクを選びがち。BBクリームや肌にあうファンデーションなどで済ませ、メイクの負担を軽減してみてはいかがでしょうか」
メイクを軽くすれば、クレンジングもマイルドなもので済ませることが可能に。乾燥につながる懸念が少なくなりそうですね。
「オイリーになりやすい乾燥脂混合肌の方の中には、思春期の方が使うような脂性肌用や洗浄力の強いクレンジング、毛穴の角栓対策にスクラブを選んでいる方もいらっしゃいます」
皮脂の過剰な分泌は水分不足によって起きていると考えられるため、皮脂を取りすぎるクレンジングを選ばないようにしたいですね。
普通肌タイプは、今のお手入れが肌に合っているということ。クリームクレンジングでもオイルクレンジングでも構わないので、今のバランスを維持してください。
皮膚科医が実践しているクレンジング法は気になるところ。
「クレンジングをなじませる前に、ホットタオルを使う日もあれば、湯船に浸かって湯気でメイクを浮かせる日もあります。オイルクレンジングを使用してダブル洗顔をしていますが、アイメイクはポイントメイクリムーバーで落とすようにしています。また最近はファンデーションを使わずに、BBクリームだけにするなど、軽いメイクにしています」
さらに、「最後は冷水で締めるのがポイント。肌にいい刺激を与えられるので、自律神経のバランスが整ってスッキリしますよ」とのこと。毎日続けるお手入れだからこそ、洗い上がりの心地よさも楽しめるのは嬉しいですね。
クレンジングの基本はきちんとメイクを落とし、そのうえで水分をたっぷり与えること。肌に合う方法を選んで、理想的なバランスを目指したいものです。
監修/赤池智子医師、内科/皮膚科医。内科認定医。2006年準ミス日本。 患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、論文執筆、学会発表と共に日常診療を第一に行っている。 2006年準ミス日本の経歴も生かし、女性ならではの視点から正しい医療知識に基づいた女性の病気、健康、美容に関する情報も発信し定評がある。
Text/古賀令奈
メイクを落とし切れていないと感じたら、クレンジングを見直そう
クレンジングで大切なのは、まずは汚れをきちんと落とすこと。そして、洗顔後の正しい保湿だといいます。
「私たちの肌は乾燥すると、皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されます。洗浄力の強いクレンジングは肌が必要とする皮脂まで落としてしまい、乾燥を招くことも少なくありません。
ですが、メイクが落ちていないと、そもそもその後の化粧水などのケアをしても肌に浸透せず、残っているメイクが毛穴を塞ぎ、ニキビやその他の肌トラブルの元になってしまいます。メイクはしっかりと落とし、その上で乾燥によって皮脂が過剰に分泌されないように水分を与え、バランスを保ちましょう」(赤池先生、以下同)
洗浄力の高いクレンジングといえば、オイルクレンジング。汚れは落ちやすい一方、乾燥してつっぱるのが気になる方も多いでしょう。そこで洗浄力の低いミルクタイプやクリームタイプを使ってみると、今度は汚れが落ち切らず、肌にメイクが残ってしまうケースもあるようです。
洗顔後に小鼻の周りなど汚れが落ちにくい場所や毛穴にまだファンデーションが残っていることも。今一度、洗顔後の自分の肌を観察してみてください。
「皮脂を落としすぎるクレンジングはよくないけれど、落とし切れないのはもっとよくありません。クリームクレンジングを使ってみたことがありますが、私にはメイクが落ち切らない感覚がありました。
今はオイルクレンジングを使っています」
きちんと落とした上で、化粧水などを十分に肌に入れ込む保湿ケアをしたいですね。
ダブル洗顔はいる? いらない?
クレンジングでメイクを落としたあとに、洗顔料で顔を洗うダブル洗顔をする方もいれば、クレンジングのみ、洗顔料のみで終了する方もいるようです。賛否両論あるけれど、一体どちらが正しい……?
ダブル洗顔の必要性について赤池先生に伺ったところ、「どちらかだけでも落とし切れているなら問題ありません。落とし切れていなかったり、トラブルがあったりする場合はダブル洗顔をおすすめします」とのこと。
スキンケアにはごしごし擦るなど、「絶対に避けてほしいケア」はありますが、「100%正解のケア」がなく、人によってベストなやり方は異なります。自分の肌に問題がなければその方法を続けてよいそうです。ただし、トラブルがあるようなら、これまでの自己流ケアが本当に正しいのか、見つめ直してみてください。
メイク汚れを浮かせれば、肌への負担は軽減できる
クレンジングのポイントとなるのが、肌になじませる前のひと手間。
いきなり肌にクレンジングをのせてくるくるとなじませると、摩擦による負担がかかるそうです。
「一番いいのは、スチーマーで蒸気を顔に当てること。クレンジング前に肌に水分をたっぷり与えてメイクを浮かせてから、クレンジングを肌にのせてくるくるとなじませましょう。メイクを落とす際にかかる摩擦の負担が軽減されますよ」
時短テクニックで無理なく続けられるお手入れを
スチーマーがない場合にメイクを浮かせるには、ホットタオルを使ってもよいのだとか。清潔なタオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジで30秒〜1分程度加熱。
やけどしないように軽く冷ましてから顔にのせます。こうして1〜2分スチーム効果を与えるだけでも負担が抑えられるようです。さらに、ほっとできるリラックス効果もあるのでおすすめです。
「多忙なDRESS世代の女性にとって、毎日お手入れを続けるのは大変なもの。無理なくできる正しいケアを続けることが大切です」
疲れている日は、湯船に浸かりながら湯気をスチーマー代わりにするのもOK。これなら残業の日や育児中のママでも、気軽にできるのではないでしょうか。
アイメイクはポイントメイクリムーバーの使用を
アイメイクはポイントメイクリムーバーの使用を推奨しているという赤池先生。涙や汗でにじみにくくするために落ちにくいアイテムが多いことから、専用のポイントメイクリムーバーで落としてからクレンジングを行うほうがよいそうです。
「目の周りの皮膚は、非常に薄いです。擦ることで炎症が起きてしまうと、色素沈着の原因にもなります。擦る必要がないようにポイントメイクリムーバーを使い、擦らずやさしく落としてあげてくださいね」
洗うときのお湯の温度は? シャワーでも大丈夫?
洗うときはお湯の温度にも注目を。
冷水だとメイクが落ちにくいので、体温より低めのぬるく感じる温度、熱くても36℃程度のぬるま湯で洗いましょう。
お風呂で洗う場合によくあるのが、シャワーを当てて洗うこと。シャワーの水圧は思った以上に強いので、できれば手で優しく洗い流すのがベスト。ただし、シャワーの温度を下げて水圧を弱めるのであれば、シャワーで洗っても問題ないそうですよ。
肌タイプ別、クレンジングのポイント
赤池先生はDRESS世代の肌タイプを大きく下記の3つに分類。詳しくは「DRESSな女の『真の肌質』チェックリスト」もご覧ください。
・極度乾燥肌タイプ
・乾燥脂混合肌タイプ(極度乾燥肌タイプが、脂が出て悪さを始めているタイプ)
・普通肌タイプ(問題ない肌)
クレンジングの基本はいずれのタイプも同じですが、肌タイプ別に注意したいポイントがあるようです。ここでは、それぞれのポイントについて見てみましょう。
「極度乾燥肌タイプ」はメイクを軽くしてみる
極度乾燥肌タイプの方は、メイクを変えてみるのも方法のひとつだそう。
「乾燥によって化粧ノリが悪くなると、クリームファンデーションやコンシーラー、パウダーなどでしっかり隠すメイクを選びがち。BBクリームや肌にあうファンデーションなどで済ませ、メイクの負担を軽減してみてはいかがでしょうか」
メイクを軽くすれば、クレンジングもマイルドなもので済ませることが可能に。乾燥につながる懸念が少なくなりそうですね。
「乾燥脂混合肌タイプ」はアイテム選びに要注意
「オイリーになりやすい乾燥脂混合肌の方の中には、思春期の方が使うような脂性肌用や洗浄力の強いクレンジング、毛穴の角栓対策にスクラブを選んでいる方もいらっしゃいます」
皮脂の過剰な分泌は水分不足によって起きていると考えられるため、皮脂を取りすぎるクレンジングを選ばないようにしたいですね。
「普通肌タイプ」は今のお手入れを継続
普通肌タイプは、今のお手入れが肌に合っているということ。クリームクレンジングでもオイルクレンジングでも構わないので、今のバランスを維持してください。
皮膚科医が実際にしているクレンジングとは……?
皮膚科医が実践しているクレンジング法は気になるところ。
最後に、赤池先生のお手入れ方法を聞いてみました。
「クレンジングをなじませる前に、ホットタオルを使う日もあれば、湯船に浸かって湯気でメイクを浮かせる日もあります。オイルクレンジングを使用してダブル洗顔をしていますが、アイメイクはポイントメイクリムーバーで落とすようにしています。また最近はファンデーションを使わずに、BBクリームだけにするなど、軽いメイクにしています」
さらに、「最後は冷水で締めるのがポイント。肌にいい刺激を与えられるので、自律神経のバランスが整ってスッキリしますよ」とのこと。毎日続けるお手入れだからこそ、洗い上がりの心地よさも楽しめるのは嬉しいですね。
クレンジングの基本はきちんとメイクを落とし、そのうえで水分をたっぷり与えること。肌に合う方法を選んで、理想的なバランスを目指したいものです。
監修/赤池智子医師、内科/皮膚科医。内科認定医。2006年準ミス日本。 患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、論文執筆、学会発表と共に日常診療を第一に行っている。 2006年準ミス日本の経歴も生かし、女性ならではの視点から正しい医療知識に基づいた女性の病気、健康、美容に関する情報も発信し定評がある。
Text/古賀令奈