「ステロイドを使っても大丈夫?」と不安な人へ。ステロイドの働きを医師が解説
ストレスが過度にかかっていると、寝ている場合ではありません。だから覚醒する方向になってしまうのですね。
今回はこのホルモンの体内での働きをお話しします。
■ストレスホルモンは体の中でどう働いている?
まずいろいろな刺激、ストレスと戦うためには、「糖」を上げる必要があります。
血中での糖(血糖)を高めるために、体の隅々にある細胞が血中の糖を取り込んで消費するのを防ぎます。またせっかく筋肉という形で蓄えてあるタンパク質をグリコーゲンという糖の形にしようと、なんと筋肉を分解する働きをします。
確かに、動物が獲物を狩るために戦いにいく、ストレスがかかる状況では、将来の蓄えよりも「今この瞬間」を乗り越えることが優先されます。
また、このホルモンはいわゆる「ステロイド」として薬で使われる大きな理由となる「抗アレルギー・抗炎症作用」を持ちます。
冒頭でお話しした症状や、喘息、アトピー、その他膠原病と呼ばれている自己免疫疾患は、過剰なアレルギー反応、炎症、免疫反応が原因のひとつであるため、この抗アレルギー・抗炎症作用を薬として利用して、抑えようとしているのです。もちろん、こういった働きが必要もない状況で強くなると、血糖が高くなりすぎて、糖尿病のような状態になったり、筋肉が萎縮したり、免疫系の働きが抑制されて感染症にかかりやすくなったりします。