ステロイドの効果と正しい使い方。皮膚科医が解説します
皮膚科医の赤池智子です。前回まで薬として使われる、いわゆる「ステロイド」、副腎皮質ホルモンの体の中での働きについてお話ししました。
では、ホルモンと同じような働きをするステロイドという「薬」には一体どんな効果があるのでしょうか。大きな効果としては「抗炎症作用」「抗免疫作用」があります。
以前の記事「ステロイドは怖くない」で例えたように、「火」で例えてみましょう。
お湯を沸かしたり、料理に使ったり、寒いときには暖をとったりと、現代の生活では火を使うことなしに生活するのは難しいですよね。しかし、誤った使い方をすると、一気に燃え広がって火事になります。ステロイドも使い方、バランスが大切です。
■炎症反応を和らげるステロイド
身体のどこかが傷ついたり感染したりしたときに、体が戦って元に戻そうとするために免疫が働き、結果として炎症が起こります。
たとえば、細菌やウイルスに感染すると、体は元に戻そうと戦い、炎症反応が起きます。赤味を帯びたり、熱っぽくなったり、そういった経験があると思いますが、それも炎症反応の結果のひとつなのです。
このように炎症が起きるのは、体にとって非常に大切な働きですが、時にその免疫の働き、炎症反応が過剰となってバランスが崩れ、逆に問題となってしまうことがあります。