トレンド眉で振り返る平成と「令和眉」予想
間もなく「平成」というひとつの時代が終わりを迎えます。この約31年間、時代や文化とともに、メイクやファッションの流行も移り変わってきました。
そこで今回は、美眉アドバイザー・玉村麻衣子が、平成31年間の眉メイクのトレンドについてご紹介します。
※年齢層やお住まいの地域によっても流行ったメイクは異なるかと思いますが、今回はその時代を代表する印象的なメイクをご紹介します。
■1989年~90年代前半 :「極太直線バブル眉」
1980年後半から好景気を迎えた日本。
この頃人気を集めていたファッションといえば、平野ノラでお馴染みの肩パットが入ったジャケット。
伝説のディスコ「ジュリアナ東京」では、体のラインを強調するセクシーなボディコンに身を包み、お立ち台で“ジュリ扇”を振りながら踊る女性の姿が印象的でした。
そんなバブル期に流行ったヘアは、とさか前髪やワンレン、ソバージュヘア。
眉メイクは自眉を最大限に活かした極太で濃さがある直線眉がトレンド。
太く濃い眉は強さの象徴。まさにこの時代のエネルギッシュな女性を体現するような眉です。
■1990年代中盤:安室さんが人気に火をつけた「極細眉」
1990年代中盤にはギャル文化が生まれ、ルーズソックスや「チョベリバ」といったギャル語も人気に。
そしてこの頃カリスマ的な人気となったのが、歌手の安室奈美恵さん。
安室さんのヘアメイクやファッションを真似る女性はアムラーと呼ばれ、アムラーは1996年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに入賞しました。
そのときに人気を集めたファッションは、サテンシャツやミニスカート、厚底ブーツなど。
眉メイクはまるでペンで一本線を描いたような超極細が大流行。
■2000年代前半:あゆ風「淡ブラウンのへの字眉」
明るい髪色の華やかな巻き髪ヘア、目をパッチリ大きく見せるアイメイクが人気に。眉メイクは明るい髪色に合わせるように、キャメルブラウンの淡色への字眉が支持される傾向にありました。
この頃から、浜崎さん風のヘアメイクやファッションを真似た、肌を焼かない“白ギャル”が登場。
髪をしっかり巻いた華やかなヘアスタイルを楽しむ女性が増えてきました。
■2000年代中盤:目指せエビちゃん!「明るめ上昇眉」
2000年代中盤は女性誌『CanCam』で当時モデルを務めていた“エビちゃん”こと蛯原友里さんや、“もえちゃん”こと押切もえさんが人気を集めた時代。
きれいめワンピースに華やかカラーのカーディガンを羽織るような、“お姉さん系コンサバファッション”に身を包む女性が多く見られました。
メイクは“デカ目”に見せるためにアイメイクを盛りまくる“アイメイク至上主義”時代。
アイラインやアイシャドウを目のふちを囲むように入れる“囲み目メイク”が人気に。
アイメイクを目立たせるように、眉メイクは色を抑えた明るいブラウン。エビちゃんのようなやや細めで角度のある上昇眉が支持されていました。
■2010年代前半~:第二次韓流ブーム到来「オルチャン眉」
このころは少女時代、KARAなどに代表される第二次韓流ブーム。チャン・グンソクが出演して話題になった『美男ですね』をはじめ、韓国ドラマも大人気に。
同時に韓流メイクも注目を集め、韓国語で「かわいい」を意味する造語“オルチャン”メイクを取り入れる女性も多数。
オルチャンメイクの最大のポイントが眉。淡いブラウンのパウダーで太めにふんわり描いた平行眉が人気に。
このころから平行眉人気が高まり、上昇眉→平行眉へと眉の角度のトレンドが変わっていきました。
■2010年代中盤:中村アンさんがお手本!「直線太眉」が再ブーム
2014年に大ブレイクした中村アンさん。彼女のヘルシーでハンサムな雰囲気に憧れた女性が多数。
かきあげ前髪や、潮風を感じるラフな巻き髪ロングヘアが人気に。
眉メイクはこれまで人気を集めていた淡ブラウンの明るめ眉から一変、濃く直線的に描いた太眉がトレンドに。
眉頭~眉尻までを一直線に描くメンズライクな眉メイクが人気でした。
「流行は20年で繰り返す」と言われていますが、バブル時代から20年強……太眉ブームが帰ってきました。
■2010年代後半~現在:自眉を活かした「ナチュふさ眉」
太眉ブームは落ち着きましたが、引き続きやや太め眉がトレンド。
特にここ数年は自眉のようなふさっとした質感や、眉の毛並みが感じられる“リアルな眉”が人気。眉にリアルさと立体感が求められる時代に。
それに伴い、眉メイクアイテムも多様化。眉マスカラやアイブロウリキッド等、ナチュラルでふさっとした質感の眉を作るアイテムがより注目されるようになりました。
少し前までは眉頭~眉尻までほぼ太さが変わらない太く一直線の眉がトレンドでしたが、最近は眉山から眉尻にかけて斜めに下げ、眉尻にややくびれを作るカーヴィーなラインが人気を集め始めている傾向に。
■「令和眉」は3D&カラーがポイント
ここからは私の令和眉予想です。
今年の春・夏は多くのブランドからカラーアイライナーが発売されており、ブルー、カーキ、パープル、レッド、ボルドー……など色展開も豊富。
目元にさりげなくカラーニュアンスをプラスする“カラーメイク”が注目されています。
眉もブラウンという固定観念から脱却する時代に。
ナチュラルで立体的な眉メイクは当たり前、さらにカラーニュアンスでさまざまな表情を楽しむのが最新トレンド。
取り入れやすいのはピンクブラウンのアイブロウパウダー。ブラウンよりも女性らしくやわらかな雰囲気になり、肌に血色が感じられるように。
その他、カーキやオリーブブラウンのアイブロウパウダーは、カッコよくて洗練された雰囲気に仕上がるので、ジャケットをはじめとしたハンサムなファッションにぴったり。
イエローブラウンは眉色を緩和し、やさしく親しみやすい雰囲気に見せてくれるので、カジュアルファッションにもよく合います。
そしてレッドブラウンは色っぽい雰囲気に仕上がるので、浴衣との相性も抜群。
眉用のカラーパウダーはどれも鮮やかに色づくわけではなく、ほのかに色味が感じられる程度なので、普段メイクに取り入れやすいです。
ぜひファッションやシーンに合わせてカラーニュアンスを楽しんでみてください。
以上、平成の眉メイクのトレンドと来たる令和の眉メイク予想をご紹介しました。
時代の移り変わりとともに、眉メイクのトレンドも大きく変わってきました。そしてこれからも、眉メイクはどんどん進化していくことが予想できます。
眉は顔の印象の8割を決めるパーツだと言われています。
「もう何年も同じ眉メイクしかしていない……」という人は定期的に眉メイクを見直してみてください。眉を変えることで、あなたの“キレイ”も更新されるはず!
Photo/アレキサンダー麻美
https://www.monolography.com/
■玉村麻衣子さんプロフィール
美眉アドバイザー/玉村麻衣子
アイブロウの技術者資格保有。国内大手化粧品会社でのメイク講師、美容ライターを経て、現在は眉のスペシャリスト“美眉アドバイザー”として活動中。「骨格や筋肉に基づいたアイブロウデザイン」の提案や、ファッションやシーンに合わせたアイブロウメイクの描き換え法などを、ブログやセミナー、メディアでの執筆活動を通じて紹介している。
著書に『目元で、美人の9割が決まる』(KADOKAWA)、『いつものコーデが見違える!美眉メイク&プチプラコーデの作り方』(株式会社オーバーラップ)などがある。
37歳一児の母、趣味はプロレス観戦。■LINE公式ブログ
https://lineblog.me/maiko_tamamura/
■アメーバ公式ブログ
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@maiko_tamamura
https://www.instagram.com/maiko_tamamura/
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