【医師監修】セックスで出血! 排卵日なら妊娠? それとも病気?
3.子宮筋腫
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子宮筋腫は30代女性の約20~30%に見られると言われる良性の腫瘍です。がんとは違いますが、月経痛や過多月経、腰痛などの症状があり、筋腫が子宮内腔に向かって発育する「粘膜下筋腫」の場合は不正出血が起こることがあります。
治療が必要かどうかは、できた場所や個々の症状によって変わります。妊娠しにくくなったり、流産しやすくなったりする場合があるため、注意が必要です。
4.子宮頸がん
子宮頸がんは性交や性交後に出血をすることがあります。初期ではほとんど自覚症状がないですが、進行すると性交時に関わらず不正出血の量が増えて、悪臭のある茶色いおりものなどが出ます。早期発見するためには、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です
この病気はセックスのときに感染する「ヒトパピローマウイルス」が原因とされています。性交渉の経験がある人は誰でもかかる可能性がある病気です。
5.子宮頸管ポリープ
良性の腫瘍で、子宮頸管の細胞の一部が増殖して起こります。大きさは3mmから1cm程度で、痛みはないのですが、出血しやすくなります。
ポリープががん化することはありませんが、まれにポリープではなくて悪性腫瘍の場合があるため、必要があれば切除し、病理診断をすることが必要です。
6.卵巣機能不全
卵巣機能不全とは、卵巣が正常に機能しなくなり、月経不順や無排卵、無月経など、いろいろな障害を招いてしまう状態です。
思春期から中年女性まで幅広い年齢で発症します。原因としては、過度のダイエットや激しい運動、精神的なストレス、身体的ストレス、過食、拒食などが考えられます。
また、卵巣ガンなどの病気やガン治療、甲状腺機能異常、一部の薬剤服用でも卵巣機能不全を引き起こす場合があります。
■おかしいな、と思ったら病院へ
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月経時以外に起こる不正出血の原因は、今回紹介してきたようにさまざまです。
例えば、排卵日から一週間ほどたっての出血は、妊娠の可能性もあるでしょう。しかし、不正出血が体の不調のサインだったり、見逃せないような病気のしるしであったりします。きちんと検査をして、原因を知っておくほうが自分も安心して生活できますよね。
少量でも不正出血があり、不安を感じたなら放置しないことが大切です。近所の行きやすい産婦人科で良いので、必ず受診をするようにしましょう。
参考資料
・日本産科婦人科学会
・日本産婦人科医会