私たちの暮らしは、たくさんの「水」を使うことで成り立っています。その水はどこへ行くのか、お子さんと話したことはありますか?
今回ウーマンエキサイト編集部は、新宿区立東戸山小学校で開催された「
身近な汚れから考えるSDGs」という出張授業に参加してきました。
【1時間目】身の回りの水と汚れについて考えてみよう
・私たちの生活から出る汚れた水はどのぐらいの量なのか?
【2時間目】ナチュラルクリーニングで身近な汚れを落としてみよう
・地球に優しい汚れの落とし方って?
実験を通して子どもたちの意識が変わったこの授業。編集部としても自身の子どもに聞かせたいほどでしたので、こちらでご紹介します。
【1時間目】
身の回りの水と汚れについて
考えてみよう
私たちは普段の生活の中で、どのぐらいの水を使っているのか知っていますか?
教えてくれたのは、
水環境問題の専門家であるグローバルウォータ・ジャパン代表の吉村和成さん。
トイレやお風呂、洗濯に皿洗い…家で1日に使われる水の量は、ひとりあたり
約230リットル!
洗濯だけでも35リットルの水を使っているそう。
2リットルペットボトルにあてはめてみると、子どもたちは実感が湧いたよう。「そんなに!?」とびっくりしていました。
子どもたちの「身近な汚れ」である靴の泥汚れや靴下の汚れなども、吉村さんは「
水に汚れを落としているだけなんだよ」と説明すると、子どもたちは興味津々。
さらに、「
人類が使える水資源は0.01%しかないんだよ」と話す吉村さん。子どもたちからは、「え〜っ、少ない!」と口々に驚く声が聞こえました。水の惑星と呼ばれている地球でも、安全に使える「水」はとても少ないんですね。
SDGsでは2030年までに以下の目標を掲げています。
SDGsの目標:6
「安全な水とトイレを世界中に」
・すべての人が安全な水と衛生的な環境を使えるようにする
・限りある水資源を将来にわたって使うための取り組みを進める
この目標を達成するために、なにができる? と聞かれた子どもたちは…。
洗い物をするときに水を出しっぱなしにしないようにします。
授業を受け、自分の身近な汚れを通して考えることで、水・環境問題も自分ごととして考えることができたようでした!
【2時間目】
ナチュラルクリーニングで
身近な汚れを落としてみよう
続いて、クリンネスト一級の資格を持つ、
お掃除のプロ・株式会社グラフィコ 販売促進部長 田邉謙司さんが登場。地球環境に優しい「
ナチュラルクリーニング」を教えてくれました。
「ナチュラルクリーニング」とは…自然界にあるものや食品由来の素材を使って、掃除や洗濯をする方法のこと。
今回は「
クエン酸を使って蛇口のカルキ汚れを落とす実験」と「
過炭酸ナトリウムを使って体操着についた汚れを落とす実験」が行われました。
■蛇口の汚れを
クエン酸で落とそう!
田邉さんからの突然の指示に、ワクワクする子どもたち。指示通りに水と粉末(クエン酸)を混ぜた液体をスプレーの中に入れて、家庭科室のシンクの汚れに吹きかけ、ペーパーをひいてラップしていきます。
「なになに?」「どうなるの?」と子どもたちは興味しんしん。この汚れ、これだけで本当に落ちるの?
しばらくするとシンク周りのカルキ汚れも、クエン酸のおかげですっかり綺麗に。子どもたちも「これなら家でやれそう!」と口にしていました。
■服の汚れは
過炭酸ナトリウムで!
普段ならありえないシチュエーションに、子どもたちは興奮ぎみ。子どもの歓声と共に、教室には醤油のいい匂いが立ちこめます。そこに過炭酸ナトリウムの性質を持つ
オキシクリーンを溶かした液体をドボドボとかけていきます!
「こんなに思いっきりお醤油かけちゃって、後で落ちるのかな?」「え!!薄くなってきた!!」と子どもたちは大興奮。
かけたそばから薄くなる醤油のシミ。これには見ている私たちまで大興奮。かけてすぐに布でこすっても取れなかった醤油のシミが、なぜこんなすぐに落ちるの?
■汚れが落ちた理由は…?
なぜ、シンクの汚れや体操着のシミがきれいに落ちたと思う?
それは、反対だから!
田邉さんの言葉に子どもたちは、ぽかん。
そこからは、座学で汚れを“
酸性”と“
アルカリ性”にわけて考え、「
反対の性質を持つものを使えば汚れはラクに落とせる」ことを学びました。
▼汚れの性質▼
ナチュラルな素材の洗剤を使うことで、水の汚れを最小限に抑えることができる。そして、
汚れと洗剤の特性を知ることで、より効果的に汚れを落とすことができるのですね。
(編集部も勉強になりました…小学校6年生の理科で習うそうですが、すっかり忘れてしまっていました!)
授業を終えて、子どもたちは…
オキシクリーンなどを利用すれば、節水につながるかも
楽しい授業で、普段とはまた違った視点で家事や掃除、生活排水について考えを巡らせることができた子どもたち。みんなで長く、安全な水を使い続けるための努力をこれからも続けたいですね。
ぜひおうちでも、お子さんと身近な汚れと水について、話してみてください!
▼登壇者プロフィール▼
グローバルウォータ・ジャパン代表 吉村和成
水の安全保障戦略機構・技術普及委員長、経済産業省「水ビジネス国際展開研究会」委員。国連本部勤務の経験を踏まえ、日本の環境技術を世界に広めている。日本を代表する水環境問題の専門家のひとりである。
株式会社グラフィコ 販売促進部長 田邉謙司
クリンネスト1級、洗剤ブランド「オキシクリーン」の公式Instagramアカウントの“中の人”。ほったらかしても、ちゃんと家事になるアイテムで家事をラクにする「ほったら家事®︎」を提唱している。