家の更新時、家賃の値上げは拒否できる!? 知らないと損する家賃の仕組み
今回のお悩み「家の更新で家賃が上がりそう……」
一人暮らしをしており、そろそろ契約の更新時期です。引っ越す予定は無いので契約更新でいいと思っているのですが、契約更新時期のお知らせを見たところ家賃が上がると書いてありました……これって仕方ないことですか?どうにかして拒否できませんか?(20代/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)
■そもそも、家賃はどう決まっている?
家賃を決める方法は主に3つあり、近隣にある類似する複数の物件を比較して家賃を決める「賃貸事例比較法」と、投資した金額に対してどれだけの賃料を設定するのが適切なのかと計算する「積算法」、オーナーの希望利回りを基に設定する「収益分析法」があります。
賃貸住宅の家賃は「賃貸事例比較法」で周辺の家賃相場を調べると共に、立地や築年数、建物構造、広さや間取り、他にも設備や条件などを総合的に判断して決定します。
家賃が上がる要因として、立地が人気のあるエリアかつ、複数路線が利用できるなどアクセスが良い、駅から物件までが徒歩10分以内など、住むための条件が良いことなどが代表的です。
他にも、新築や築浅で新しく、建物の構造が鉄筋コンクリート造(RC)であること、間取りが2LDKや3LDKなど広くて部屋数が多いこと、オートロックや宅配ボックス、24時間ゴミ捨て可能、駐車場や駐輪場がある、エレベーターがあるなど便利な設備がある……といった、便利さも家賃が高くなる要因に。さらにプラスになる条件として、角部屋や南向き、2階以上であることなどが挙げられます。
ちなみに、同じ建物でも家賃が違う理由はいくつかありますが、先ほど挙げたように角部屋、南向きといった人気のある部屋は家賃がプラスされる理由になりますし、エレベーターが設置されている場合は、上階になるほど家賃が高くなる傾向にあります。
また、同じマンションでも、内装等リフォームをしたり、設備が新しくなった部屋は、その分家賃が上乗せされることも。
この他にも同じ建物内で家賃の違いが生まれる理由として、分譲賃貸物件(=もともと分譲マンションの部屋を購入したオーナーが賃貸物件にした部屋)の場合は、オーナーの意向が賃料に反映されるため、同じマンション内の部屋だとしても、家賃が変わることがあります。昨今問題となっている、マンション等のオーナーチェンジ後に家賃が大幅に値上げされるというトラブルはこういった背景から生まれているのです。
■家賃の値上げ、拒否できる?
家賃の値上げは、基本的には拒否することができます。その理由としては、家賃の値上げは貸主(大家)と借主の合意がなければ成立しないからです。
借地借家法(32条)によると、税金上昇や近隣相場との乖離など「正当な理由」があれば家賃や地代の値上げは可能です。しかし、貸主の一方的な値上げは認められません。
主な対処法としては、値上げの書面に署名・捺印してしまうと「合意」とみなされるため、納得できない場合は、サインや同意をするのではなく交渉に入ること。
交渉に入る際、値上げの根拠となる具体的な資料やデータの提示を貸主に求めましょう。その際、証拠として残るように口頭ではなく、書面やメールなどで受けるようにするのもポイントです。
値上げに同意をせず拒否をしても、すぐに退去させられることはありません。交渉中は従来の家賃を支払う(または供託する)ことで住み続けることができます。
家賃の供託とは、貸主が家賃の受け取りを拒否した場合に、借主が法務局(供託所)に家賃を預けることで、「支払った」とみなされる手続きのことです。供託をすることで、家賃の不払いを理由とする契約解除を防ぐことができます。供託は、「登記・供託オンライン申請システム」からすることもできます。ただし、裁判で最終的に増額が認められた場合は、不足分を遡って支払う必要があります。
そのためにも、早めに和解案を出して、値上げ幅を減額したり、段階的に引き上げる、設備を更新してもらうなどの、折衷案を提示して双方の落としどころを探りましょう。
■契約更新で確認すべき点は?
賃貸契約更新の連絡は、契約満了の1~3カ月前に封書やメールなどで届きます。その際、主に確認すべき点は、更新料などの費用、契約内容の変更箇所、手続きの期限です。
費用とは、貸主へ支払う更新料(賃料の0.5~1カ月分)の他にも、管理会社へ支払う更新事務手数料や、火災保険料、保証会社への更新料(保証会社を利用している場合)があります。
契約内容の変更箇所とは、賃料や共益費が変更されていないか、契約期間はいつからいつまでとなっているかを確認したら、更新か退去かを選びます。更新する場合は、書類の提出期限はいつまでなのか、退去する場合は、いつまでに通知するのか(契約書に記載されていますが、一般的には1~2カ月前に通知することが多い)を確認します。
■更新費用は値下げ交渉できる?
更新費用の値下げ交渉は、ケースバイケースです。賃貸契約書に更新料や更新事務手数料についての記載がある場合には、支払い義務が生じますので、基本的にはそのまま支払うことになります。
しかし、貸主との関係性がよく、家賃の滞納もなく、日頃から部屋をていねいに使っているなどの場合、交渉次第では減額できる可能性があります。更新料については、貸主次第なところがありますので、なるべく長く住み続けたいなどアピールするのも一案です。
また、交渉というほどではありませんが、火災保険は必ずしも管理会社が勧める保険に加入する必要はありません。もし、管理会社経由で火災保険へ加入している場合は、自身でネット型の損害保険会社で比較、契約の見直しをすることで、保険料を安くすることも可能です。更新時等に管理会社を経由せず、自身で火災保険に加入した場合は、管理会社へ保険証券のコピーを送るようにしましょう。
契約満了のお知らせの手紙やメールが届いたら、すぐに内容を確認して賃料、更新料など更新内容に疑問を感じたら、まずは管理会社へ連絡して確認や貸主との交渉に入ってもらうようにしましょう。
令和のマネーハック144
賃貸物件の契約満了のお知らせがきたら、すぐに内容を確認!賃料や更新料などの更新内容に疑問を感じたら交渉してみるのも一つの手です。
専門家に聞きたいお金の悩みを教えてください!
(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)
一人暮らしをしており、そろそろ契約の更新時期です。引っ越す予定は無いので契約更新でいいと思っているのですが、契約更新時期のお知らせを見たところ家賃が上がると書いてありました……これって仕方ないことですか?どうにかして拒否できませんか?(20代/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)
■そもそも、家賃はどう決まっている?
家賃を決める方法は主に3つあり、近隣にある類似する複数の物件を比較して家賃を決める「賃貸事例比較法」と、投資した金額に対してどれだけの賃料を設定するのが適切なのかと計算する「積算法」、オーナーの希望利回りを基に設定する「収益分析法」があります。
賃貸住宅の家賃は「賃貸事例比較法」で周辺の家賃相場を調べると共に、立地や築年数、建物構造、広さや間取り、他にも設備や条件などを総合的に判断して決定します。
家賃が上がる要因として、立地が人気のあるエリアかつ、複数路線が利用できるなどアクセスが良い、駅から物件までが徒歩10分以内など、住むための条件が良いことなどが代表的です。
他にも、新築や築浅で新しく、建物の構造が鉄筋コンクリート造(RC)であること、間取りが2LDKや3LDKなど広くて部屋数が多いこと、オートロックや宅配ボックス、24時間ゴミ捨て可能、駐車場や駐輪場がある、エレベーターがあるなど便利な設備がある……といった、便利さも家賃が高くなる要因に。さらにプラスになる条件として、角部屋や南向き、2階以上であることなどが挙げられます。
ちなみに、同じ建物でも家賃が違う理由はいくつかありますが、先ほど挙げたように角部屋、南向きといった人気のある部屋は家賃がプラスされる理由になりますし、エレベーターが設置されている場合は、上階になるほど家賃が高くなる傾向にあります。
また、同じマンションでも、内装等リフォームをしたり、設備が新しくなった部屋は、その分家賃が上乗せされることも。
逆に、なかなか入居者が決まらず、空室期間が長い物件は家賃を下げて募集することがあります。
この他にも同じ建物内で家賃の違いが生まれる理由として、分譲賃貸物件(=もともと分譲マンションの部屋を購入したオーナーが賃貸物件にした部屋)の場合は、オーナーの意向が賃料に反映されるため、同じマンション内の部屋だとしても、家賃が変わることがあります。昨今問題となっている、マンション等のオーナーチェンジ後に家賃が大幅に値上げされるというトラブルはこういった背景から生まれているのです。
■家賃の値上げ、拒否できる?
家賃の値上げは、基本的には拒否することができます。その理由としては、家賃の値上げは貸主(大家)と借主の合意がなければ成立しないからです。
借地借家法(32条)によると、税金上昇や近隣相場との乖離など「正当な理由」があれば家賃や地代の値上げは可能です。しかし、貸主の一方的な値上げは認められません。
主な対処法としては、値上げの書面に署名・捺印してしまうと「合意」とみなされるため、納得できない場合は、サインや同意をするのではなく交渉に入ること。
交渉に入る際、値上げの根拠となる具体的な資料やデータの提示を貸主に求めましょう。その際、証拠として残るように口頭ではなく、書面やメールなどで受けるようにするのもポイントです。
値上げに同意をせず拒否をしても、すぐに退去させられることはありません。交渉中は従来の家賃を支払う(または供託する)ことで住み続けることができます。
家賃の供託とは、貸主が家賃の受け取りを拒否した場合に、借主が法務局(供託所)に家賃を預けることで、「支払った」とみなされる手続きのことです。供託をすることで、家賃の不払いを理由とする契約解除を防ぐことができます。供託は、「登記・供託オンライン申請システム」からすることもできます。ただし、裁判で最終的に増額が認められた場合は、不足分を遡って支払う必要があります。
そのためにも、早めに和解案を出して、値上げ幅を減額したり、段階的に引き上げる、設備を更新してもらうなどの、折衷案を提示して双方の落としどころを探りましょう。
■契約更新で確認すべき点は?
賃貸契約更新の連絡は、契約満了の1~3カ月前に封書やメールなどで届きます。その際、主に確認すべき点は、更新料などの費用、契約内容の変更箇所、手続きの期限です。
費用とは、貸主へ支払う更新料(賃料の0.5~1カ月分)の他にも、管理会社へ支払う更新事務手数料や、火災保険料、保証会社への更新料(保証会社を利用している場合)があります。
契約内容の変更箇所とは、賃料や共益費が変更されていないか、契約期間はいつからいつまでとなっているかを確認したら、更新か退去かを選びます。更新する場合は、書類の提出期限はいつまでなのか、退去する場合は、いつまでに通知するのか(契約書に記載されていますが、一般的には1~2カ月前に通知することが多い)を確認します。
■更新費用は値下げ交渉できる?
更新費用の値下げ交渉は、ケースバイケースです。賃貸契約書に更新料や更新事務手数料についての記載がある場合には、支払い義務が生じますので、基本的にはそのまま支払うことになります。
しかし、貸主との関係性がよく、家賃の滞納もなく、日頃から部屋をていねいに使っているなどの場合、交渉次第では減額できる可能性があります。更新料については、貸主次第なところがありますので、なるべく長く住み続けたいなどアピールするのも一案です。
また、交渉というほどではありませんが、火災保険は必ずしも管理会社が勧める保険に加入する必要はありません。もし、管理会社経由で火災保険へ加入している場合は、自身でネット型の損害保険会社で比較、契約の見直しをすることで、保険料を安くすることも可能です。更新時等に管理会社を経由せず、自身で火災保険に加入した場合は、管理会社へ保険証券のコピーを送るようにしましょう。
契約満了のお知らせの手紙やメールが届いたら、すぐに内容を確認して賃料、更新料など更新内容に疑問を感じたら、まずは管理会社へ連絡して確認や貸主との交渉に入ってもらうようにしましょう。
令和のマネーハック144
賃貸物件の契約満了のお知らせがきたら、すぐに内容を確認!賃料や更新料などの更新内容に疑問を感じたら交渉してみるのも一つの手です。
専門家に聞きたいお金の悩みを教えてください!
(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)