2018年10月18日 11:00
神戸大教授が開発した「痛くないマンモグラフィ」、その驚きの精度
は、乳房表面をなぞるだけなので、検診による痛みはない。さらに、乳房に当てる電波は携帯電話の1,000分の1以下、つまり被ばくの心配もないという。革新的な技術なのだ。
「乳房は、乳腺と脂肪、そして乳房を支える靱帯で構成されています。乳腺と靱帯が多く密集している『高濃度乳房』の場合、X線を遮断してしまうため、がんを見つけることが困難とされていました。その『高濃度乳房』を貫通することができるのがこのマイクロ波。がん組織に当たった瞬間跳ね返されるので、数秒でがん組織を立体画像で映し出すことができます」
マイクロ波マンモグラフィで特筆すべきは、そのがん検出の精度。木村教授は、本誌記者に、従来のX線マンモグラフィとマイクロ波マンモグラフィでの撮影結果を見せてくれた。
どちらも、「高濃度」とされている同じ人物の乳房を撮影したものだ。
X線で撮影すると、乳房全体が白く写ってしまう。がん組織も同じように白く写るため、“雪山で白うさぎを探すがごとく”と言われるほど、高濃度乳房の人のがんは見落とされやすかった。しかも、日本人女性の約4割が高濃度乳房に当てはまるとされている。
しかし、マイクロ波で撮影したものは、がん組織が黒い影としてハッキリ写っているのがわかる。