死亡事故も…『恐いインプラント』著者が語る「4割に周囲炎」
’11年の厚生労働省の調査の時点で、当時全国に6万8,156軒あった歯科クリニックのうちの約17%にあたる1万1,311軒でインプラント治療が行われていました」
トラブルの数も増え、前出のPIO-NETには’06~’11年の5年間で343件の被害の声が寄せられた。そのうち8割が女性のものだった。
「同被害者アンケートによれば、治療費は約7割が50万円以上。不快感など身体症状の継続期間が1カ月以上続いた人が約75%ということでした。しかも、高額な医療費が戻ってくることはほとんどありません。そればかりか、治療や再手術のために、さらにお金がかかるという例も珍しくないのです」
’07年5月、東京都内の歯科医院でインプラント手術を受けた70歳の女性が手術翌日に死亡した。
「ドリルでオトガイ下動脈(あごの下を通る動脈)を損傷し、出血に伴う気管支閉塞による窒息死だったということです。施術した医師は海外でのトレーニング経験もあるベテランでした。
それでも死亡事故を起こすほど、通常の歯科医の施術レベルを超えたリスクの高い外科手術がインプラントなのです」
手術が終わっても、適切なケアを怠れば、重大な事態を招いてしまうという。