2018年12月5日 11:00
閉経が遅い人は2倍リスク……肺がん発生に女性ホルモンも影響
かつて建材などに使われたアスベストも肺がんの原因になりますが、そういった現場で働いた経験がない人も無関係ではありません。たとえば幼いときに、アスベストが付着した作業着を着ていた父親に、帰るたびに抱きついていた人が、20~30年後に発症するケースもあります」
また、中国で肺腺がんが劇的に増えていることから、PM2.5などの大気汚染の影響も考えられる。さらに、意外なものも……。
「女性ホルモンも何らかの因果関係があるという研究があります。じつは、喫煙による発がん率は男性よりも女性のほうが高い。こういった面から、男女のホルモンの違いは、影響があると考えられているのです」(坪井先生)
前出の大西先生が注目するのは、国立がん研究センターの予防研究グループによる大規模調査だ。
「40~69歳の非喫煙女性4万5,000人を対象に、8~12年間の追跡調査をしたものです」
対象者の中で肺がんを発生したのは153人。うち閉経した111人に、初経年齢や閉経年齢の調査をしたところ、意外な結果が出た。
「初経年齢が16歳以上と遅くて、閉経が50歳以下と早かった人、要は月経のあった期間が短かった人の肺がん発生率を1とすると、月経が長かった人の発生率は2倍以上になるという結果が出ました。