転倒リスクは認知症リスクに“足の衰え”について知ろう
(松井先生・以下同)
中高齢期にロコモが進むと、日常生活における移動に必要な機能が徐々に低下し始め、体幹や筋肉の柔軟性も衰えてしまう。つまずいたときにこらえられずに転倒しやすくなり、足の付け根や手首などの骨折リスクが高まる。一度痛めると回復にも時間がかかる。こうしてロコモが進むと「フレイル」と呼ばれる状態になる。フレイルは身体的な問題だけでなく、心の問題や社会生活の中での問題も含まれる。骨折が原因で、寝たきりや車いすの生活を余儀なくされると、外からの刺激を受ける機会も減少し、認知症のリスクも高めてしまうことになる。
次のチェックリストは、こうした衰えのサインを示す項目が並んでいる。ひとつでも当てはまる項目がある人は、自分の日常生活を見直してみる必要がある。
また、身体的フレイルのリスクは、男性に比べて女性のほうが高いという。更年期を過ぎた50代半ばあたりから筋力はどんどん落ちてしまうのだ。□片足立ちで靴下をはけない
□つまずいたり、滑ったりすることが増えた
□重い荷物を持って移動するのが困難だ
□最近、食事の量が減っている
□両手の親指と人さし指で作った輪にふくらはぎが収まる
□BMIが20未満だ→BMI=体重〈kg〉÷(身長〈m〉×身長〈m〉)