筋力低下で肥満!サルコペニア肥満予防につかまりスクワット
(久野教授・以下同)
弱い筋力で重い体重を支えられなくなると、ひざの痛みが起こり、思うように動けなくなる。カロリーが消費されずにますます太る。サルコペニア肥満の状態にあると、高血圧の発症リスクが男性で1.7倍、女性で2.3倍ほど標準体型の人に比べて高くなり、糖尿病になるリスクはじつに男性で23倍、女性で19倍にも跳ね上がるという。このほか、高脂血症や心臓病、脳卒中などにもかかりやすくなる。筋肉量が低下しているので骨折や転倒により寝たきりになる恐れもあり、サルコペニア肥満はメタボよりも恐ろしいリスクをはらんでいるのだ。
サルコペニア肥満かどうか、見た目や体重では判断しにくいが、(1)体重に占める筋肉の割合「筋肉率」が、男性で27.3%未満、女性で22%未満、かつ(2)体格指数(BMI=体重を身長の2乗で割った数値)が25以上の人があてはまるという。
サルコペニア肥満の人は、ダイエットよりも筋力をつけることが先決で、足腰中心の筋トレを始めたいところだが、いきなり激しい運動をするのはNG!「効果があるのは有酸素運動と筋トレですが、サルコペニア肥満の人は若いころに運動習慣がなかった人が多く、いきなり激しい運動をすると、ひざを痛めてしまうなど、かえって逆効果になることも。