アスリート実践する高負荷運動「HIIT」一般の人にも健康効果
だけど、アスリートが日ごろから行っている運動なんて、ぜったいにムリ!
「安心してください。一般の人でも、“自分のペース”でHIITを行うだけで、健康促進や病気予防などに効果があるという研究結果が続々と出ているんです」
HIITが、アスリート業界に知られるようになったのは、’98年の長野冬季五輪、スピードスケートで金メダルを取った清水宏保選手が練習に採用していたことがきっかけ。HIITは、ほかの運動法と何が違うのだろうか。川田先生はこう話す。
「筋肉細胞の中には、『ミトコンドリア』というエネルギーを生み出す器官があります。このミトコンドリアは、体に摂取された酸素を燃料に、たくさんのエネルギーを供給し、健康な体を作り上げています」
ミトコンドリアの量と質は、年齢とともに減少・低下していく。
「ミトコンドリアの質が落ちてしまうと、老化の加速、脳梗塞、糖尿病、アルツハイマー病、がんの原因でもある『過剰な活性酸素』が生み出されます。HIITは、筋トレのように筋肉を増やして筋力をアップさせるだけでなく、そこに有酸素運動の要素も加わることで、筋肉のミトコンドリアの数を増やし質を高め、さらに心肺機能も向上させる。