2019年12月16日 06:00
木内みどりさんを襲った「急性心臓死」、特徴を医学博士が解説
(写真:アフロ)
「現代は飽食の時代ですから、昭和のころに比べて、肥満や高血圧、糖尿病の女性は増えています。とくに女性ホルモンの分泌が低下する50代以上は動脈硬化が進みやすいので、心不全による突然死、『急性心臓死』に注意が必要です」
そう話すのは、心臓血管研究所所長で医学博士の山下武志さん。先月も、俳優の木内みどりさん(享年69)が、急性心臓死によって突然死したことは記憶に新しい。木内さんは仕事先での夜の懇親会後、歩いてホテルに戻った数時間後に亡くなったとみられる。急性心臓死とはどんなものなのか。山下医師はこう語る。
「症状が出てから24時間以内に亡くなることを突然死と言いますが、病院に着いたときには、だいたい亡くなっています。診たところ、くも膜下出血などの脳の病気ではないので、原因は心臓にあると判断することが多いのです。
そんな急性心臓死につながる不全の原因は、不整脈や弁膜症、狭心症などいろいろ。なかでも、50代以上で多いのは心筋梗塞です。木内さんの場合も、その可能性が高いと思います」
心筋梗塞は、初期の段階で心臓の冠動脈が詰まったり硬くなったりして、心臓のポンプ機能が低下する。