2020年1月5日 06:00
岸本葉子さん がんになって初めて気づいた“人生で大切なこと”
人生において訪れるさまざまな転機。なかでも“大きな病気”と向き合うには相当な覚悟が必要です。ここでは、「がん」を経験したことが、その後の生きる糧となった方のお話を紹介。葛藤の日々の先には“新しい私”との出会いがありました。
■岸本葉子さん(58)・作家、エッセイスト
「仕事のキャリアは“がん後”のほうが長くなりましたが、がんを克服したとはまだまだ言えない、臆病な自分と共生しています」
エッセイストとして160冊を超える著作を持つ岸本葉子さん。’01年、40歳のときに虫垂がんを発病して以来、当時学んだ食事療法や漢方を継続している。
「比較的若年で罹患したため、『なりやすい体質なのかな?』と考えるといまだに恐怖があり、再発リスクを下げてくれる可能性のある習慣は続けています」
漢方医の指導による食事メニューを丁寧に自炊し、厳選した調味料もずっと変えていない。最近は、自立して生きるには「筋肉が大切」と運動を心がけ、加圧トレーニングやダンスも取り入れている。
「結果としてがん以外の生活習慣病予防にもなっているようです」
近年は「老いじたく」「おひとりさま」「介護」といったテーマの作品も多く、がんについてつづることもなくなりつつあるともいう。