「紫外線は女性の大敵」は大間違い!?乳腺専門医が論文から提唱
「太陽光に含まれる紫外線は、特に女性にとって大敵と思われがちですが、最近の研究では私たちの肌や体を健康にしてくれるありがたい存在であることがわかってきたのです」
乳腺専門医で、アンチエイジング医療に詳しい南雲吉則先生はそう話す。紫外線といえば、美容や健康によくないイメージがつきまとうものだけれど……。
「私たちの体が紫外線を浴びると、肌の表面でビタミンDがつくられます。骨を丈夫にするために日光浴が効果的なのは有名ですが、それ以外にも、ビタミンDの作用によって、多くのメリットを得ることができます。がん、うつ、認知症、ぜんそく・花粉症などのアレルギー症状、さらには心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化など、日本でも問題となっている疾患の多くを防ぐのに紫外線は有効なのです」(南雲先生・以下同)
この発見は’14年に権威ある学会誌上で発表された、ビタミンDと死亡率に関する2つの論文がきっかけだったという。
「1つは『紫外線を浴びる量が不足している人はビタミンDが足りずにがんによる死亡率が1.7倍になる』というもの、もう一方は、『紫外線を浴びることによってビタミンDが十分に足りている人はがん死亡率が0.58倍に減少する』という論文でした。