「紫外線にはメリットも」と専門医、1日30分の日光浴で免疫UP
「シミやシワの原因になると考えられている紫外線には、UV-A(A波)とUV-B(B波)があります。A波は肌に当たることで、消毒作用が働いたり、ハリも与えてくれます。一方、B波は浴びすぎると皮膚表面にやけどのような状態を起こします。ところが、B波はほとんど地上に届くことはないのです。暑い季節の一定の時間帯を除けば、私たちが浴びるのは紫外線のうち体によいA波なのです」
南雲先生がクリニックの乳がん患者の血中ビタミンD量を計測したところ、紫外線のメリットをいっそう実感したという。
「98%の人が、血中のビタミンD量が20(単位はng/ml)以下の『欠乏状態』でした。それ以降、私は患者さんに日光浴を推奨し、冬の間はタンニングマシンに入ってもらうようにしました。すると、術後の回復が明らかによくなっていったのです。
ビタミンDは免疫力を高めることで、がんをはじめ、さまざまな病気を予防してくれます。健康体でいるためには、紫外線は積極的に浴びたほうがいいのです」
免疫力のほかにも、脳神経の活性化、血管の修復、糖代謝を活発にする作用などによって、うつや認知症、動脈硬化、糖尿病などの予防効果が得られるという。