15度傾くと筋肉への負担は倍増…“首こり病”の恐ろしさ
このように、首こりがもとで神経に異常をきたすのが『頸性神経筋症候群』です」
「頸性神経筋症候群」になると、本来は30〜40度湾曲しているはずの頸椎が真っすぐになってしまうことが多い。最近では「ストレートネック(別名/スマホ首)」と呼ばれることの多い症状だが、松井先生は30年まえにすでにこの兆候を発見し、「ストレートサイン」と名付けていたという。
「当時私はむち打ち症(頸椎捻挫)の治療と研究を行っていましたが、むち打ち症に起因する症状の多くが、めまいや頭痛といった、自律神経失調による不定愁訴と同じものだと気づいたのです。さらに、患者さんのX線画像を見ても頸椎そのものに損傷は見られず、『ストレートサイン』は骨の異常が引き起こす症状ではないこともわかりました。このことから、首の筋肉の疲労が、自律神経失調の大きな原因だと考えたのです」
自律神経は呼吸や消化のほか、脈拍や血圧、体温調整など「生命維持」のために必要な機能を調整する働きをもち、その働きが悪くなれば全身に悪影響を及ぼす。
「そのため、頸性神経筋症候群になると全身に症状が現れます」
「女性自身」2020年3月10日号 掲載