めまい、頭痛、更年期障害…“首こり”が引き起こす不調
とくに女性は、もともと男性より首の筋肉量が少なく、首がこりやすい傾向があります。家事や育児は下を向いて行うものが多いので、子育て経験者の多くは、首がこっていると考えられます」
こうしたうつむき姿勢を続けていることで、まず発症するのが「首こり病(頸筋症)」。
「これは、首の筋肉に疲労が蓄積し、筋肉痛やハリを起こしている状態のこと。顔や頭を動かすと痛みが生じたり、うまく動かせなかったりしますが、この時点ではあくまで『筋肉の疾患』。そのため、治療も鍼灸や温灸などが中心となります」
しかし、この「首こり病」を放置してしまうと、悪化して「頸性神経筋症候群」に。“首こり”の本当の恐ろしさはここからだ。
「首の筋肉に異常をきたし伸縮性を失うと、頸椎を通る自律神経が圧迫され、自律神経が不調を起こします。このように、首こりがもとで神経に異常をきたすのが『頸性神経筋症候群』です」
自律神経は呼吸や消化のほか、脈拍や血圧、体温調整など「生命維持」のために必要な機能を調整する働きをもち、その働きが悪くなれば全身に悪影響を及ぼす。
「そのため、頸性神経筋症候群になると全身に症状が現れます」
現段階で判明している、頸性神経筋症候群が引き起こす症状は次の通り。