「免疫を高めて病気を防ぐ」とは、医療費抑制の切り札になる
(飯沼先生・以下同)
近年、泥んこ遊びを推奨する幼稚園や保育園が増えているのも、このTレグ細胞を育てるのが狙いだという。
「実は免疫細胞の約70%は腸内に存在しているのです。なんといっても、人間の腸のひだをすべて広げるとテニスコート1面分くらいありますから。クロストリジウム属細菌という腸内細菌によってTレグ細胞が増加する、というマウスの実験の結果も出ていますが、腸内環境を整えてTレグ細胞を増やすということは、ほぼそのまま、バランスのよい免疫力のアップに直結するのです」
悲しいかな免疫力は加齢によっても衰えていくが、その衰えを食い止めるためには、なにはさておき腸内環境を整えなくてはならないとのこと。それでは、具体的にどんな食べ物がよいのだろう?
「腸内環境を整える食材の代表はきのこ類、また、なるべく菜食を心掛け、お肉を食べるなら牛肉よりも豚肉がおすすめです」
日本伝統の鍋物は、免疫力の向上にはまさにうってつけのメニューだそう。とはいえ毎日鍋をつつくわけにはいかないし、そもそも鍋の季節はとうに過ぎてしまった……が、もちろん免疫維持に効果的な栄養素を取る手段は食事以外にもある。
「それがβグルカンです。