音読や複式呼吸…“1分脳活”で維持する“忘れない頭”
パッと単語が出てこなくなった、2階に行ったけど何の用事だったのかすぐに思い出せない、人の名前がとっさに浮かんでこない……。そんな経験を持つ人は少なくないはず。これまでは“単なるもの忘れ”と解釈されていたがーー。
「実はそれらの症状は、認知機能低下の初期症状なのです」
こう話すのは、アンチエイジングの専門家でお茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二先生。
「アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβが蓄積されて起こることがわかっています。数年前までは、その蓄積は50代くらいに始まるとされていましたが、検査方法が進化して、今では早ければ20代、30代からアミロイドβの蓄積が始まるという論文も出ています」
そして、そのアミロイドβの蓄積が最初に現れるのが頭頂葉なのだという。頭頂葉は、地図を読んだり、左右や構図、空間を認識する、字を書く、計算するなどさまざまな働きをつかさどる脳だ。
「これまでは、もの忘れは記憶をつかさどる海馬と関係していると考えられていました。
ところが、最近では、もの忘れは頭頂葉にある“ワーキングメモリーネットワーク(WMN)”と関係していることがわかってきたのです」