2020年4月30日 06:00
骨の健康を守る3本柱は「食生活・骨検診・適度な運動」
「骨は皮膚と同じように新陳代謝を繰り返し、約5カ月で新しい骨に生まれ変わります。そして、約5年たつと全身の骨が入れ替わるのです。しかし女性の場合、閉経によって女性ホルモンのバランスが崩れると骨の新陳代謝のリズムが狂い始め、これが骨粗しょう症の引き金となります」
そう話すのは、骨粗しょう症から更年期障害まで、女性医療全般を専門とする太田博明先生。骨粗しょう症は女性がなりやすい病気の一つで、患者は閉経後の女性が多いという。
実際に骨粗しょう症と診断されるのは、骨密度の検査で数値が70%を下回った場合だが、これといった自覚症状があるわけではない。そのため、骨折を機に検査を受け、そこで初めて発覚するケースが多い。
「やっかいなのは、骨折をしても気づかない人がいることです。60代の患者さんで目立つのは、背中や腰の骨折ですが、この部位は痛みを感じにくく、違和感があっても整骨院や鍼灸院などで済ませてしまう人が多いんです」(太田先生・以下同)
背骨は、椎骨という小さな骨が積み重なって首から腰までをつないでいる。
骨粗しょう症になると、その椎骨の内部(椎体)がスカスカになり、自重に耐え切れず圧迫骨折してしまうというのだ。