忍たま原作者語る連載終了の裏「脳梗塞で線1本描けなくて」
「悲観しても仕方がないし、もともと能天気な性格。普通は暗い話になるかもしれませんが、私にとって、倒れた後は自分の人生が新しい展開に入っただけなんです」
そう語るのは『落第忍者乱太郎』の作者である漫画家の尼子騒兵衛さん(61)。
「忍者学園」を舞台に、一流忍者を目指す忍たま(忍者のたまご)の乱太郎、きり丸、しんべヱが中心となって繰り広げられるギャグ漫画『落第忍者乱太郎』は、’86年に「朝日小学生新聞」で連載が始まり、’93年からはNHKで『忍たま乱太郎』としてアニメ化もされている国民的な人気漫画だ。
ところが昨年11月、コミックスが65巻で急に完結。33年間続いた朝日小学生新聞の連載も終了した。尼子さんを病魔が襲ったのだ。尼子さんが当時を振り返るーー。
「昨年1月12日の朝5時ぐらい、トイレに行きたくて、起き上がろうとしたら体が動かなくて。
あれ?と思って、また立ち上がろうとしてもバタッと倒れてしまう。これはマズいと近所に住む姉に救急車を呼んでもらいました」(尼子さん・以下同)
彼女を襲ったのは脳梗塞。脳の血管が詰まってしまう病気で、処置が遅いと命を落とすことも少なくない。30代から子宮筋腫や乳がん、脳動脈狭窄などの大病を患ってきた尼子さんでも、発症したときは「これで人生が終わった」