忍たま原作者語る連載終了の裏「脳梗塞で線1本描けなくて」
家でもリハビリは続けている。
「ジッとしていたら右腕も右足もすぐに固まってしまうので、洗濯物は右手を使って干すなど、家でもできるだけ動かすように心がけています」
歯ブラシが握れたり、右手で箸が使えるようになるなど、徐々に出てきたリハビリの成果。コミックス最終巻の表紙イラストは脳梗塞を患ったあとに描いたという。
「楕円や雲形の定規の力を借りてラフを描き、アシスタントさんに着色してもらって、描き下ろすことができました。病気をする前は、フリーハンドでササッと描けた絵も、いまはヘロヘロになりがちですが、定規でなぞりながら時間をかければ、なんとかなるんです」
そして、今年4月からは、朝日小学生新聞で、乱太郎などのキャラクターが『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などの古典のおもしろさを文章とイラストで伝えていく、月1回の新連載がスタートした。
「これまでは、忍たまたちが生きる戦国時代だけを舞台にしていましたが、新連載では、乱太郎たちが平安時代や奈良時代の舞台にも登場します。漫画を描く手間は減りましたが、その分、時代考証の時間が増えてしまって……。月1だから楽ちんかと思っていましたが、あっという間に締め切りがきますね(笑)」
「女性自身」2020年7月14日号 掲載