“巣ごもり”認知症や「要介護」を防ぐタンパク質摂取のすすめ
つづいては読者世代にはとりわけ気になる“脳”について。
一般に、認知症の予備群である軽度認知障害(MCI)の人の多くは、適度な運動や栄養バランスの取れた食生活により生活習慣を安定させることで、進行を食い止めることができるとされているが、そこにも巣ごもりの影響は表れている。
「巣ごもり中は、運動不足はもちろん、食事では糖質が多くなりがちです。外出自粛前は一人暮らしができていたMCIの人が、いまでは人の助けを借りなければならなくなっていたり、軽度だった認知症が進行してしまったりと、私の患者さんにも、全体的に認知機能の低下が見られます」
また、家でぼーっとテレビを見ている時間が増えると、認知症の前段階であるアパシー(意欲低下)にも陥りがちだという。
「番組にもよりますが、テレビを見るという行為は、どうしても受け身になりがちですから。やっぱり大切なのは、脳に刺激を与えること。脳トレも悪くないとは思いますが、じつはあれは学会でも見解が分かれていまして、私としては、あまりエビデンス(科学的根拠)がないんじゃないかと考えています。それよりも、私がいま推奨しているのは『コグニサイズ』。
コグニッション(認知)