2020年10月7日 15:50
腰痛を和らげる「酸素たっぷり呼吸法」を専門医が伝授
つまり、痛みを感じるのは腰ではなく、脳。事故や病気で手足を失ってしまった方が、存在しないはずの手足に痛みを感じる症状を『幻肢痛』といいますが、これはまさに脳の仕業です。そして、そうした思い込みが生まれる原因は、脳の暴走にあるといわれています」
痛みの信号は最終的に脳の「扁桃体」という部位に到着するため、この「扁桃体」の暴走が、幻の痛みの原因になるという。
「ではなぜこの扁桃体が暴走するのかというと、その大きな理由はストレスです。扁桃体は『感情』もつかさどっており、不安や恐怖、苦しい、悲しいといった感情が強いと興奮してしまい、痛みに対しても敏感になるのです。そして、脳は精神的・肉体的ストレスを感じると、そのストレスを体に逃がそうとします。その代表的なものが胃潰瘍や過敏性腸症候群なのですが、じつはこのストレスは首や腰といった背骨沿いにも出やすいことが知られており、腰痛はとくに多いのです。肉体的にも精神的にもストレスがたまりやすい、40〜50代の働き盛りの方に多いという点も特徴ですね」
その治療法の第一歩として河合先生が提唱するのが、「酸素たっぷり呼吸法」だ。
「アメリカのノースウェスタン大学の研究で、慢性腰痛の人は脳の血流が全体にわたって少なくなっていることがわかっています。