2020年12月13日 11:00
リハビリ現場で実証…「フラワーアレンジ」の脳トレ効果
花が私たちに与えてくれるのは、癒しだけではないようだ。
花を愛でることによって心が癒されたり、リラックスできることを実感する人は多いだろうが、花を使ったフラワーアレンジメントが脳の認知機能にも関係していることは意外と知られていない。
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の上級研究員・望月寛子先生は、フラワーアレンジメントが脳の認知機能の改善、向上に役立つという研究結果を発表している。望月先生がフラワーアレンジメントに着目するようになったのは、今から10年ほど前のことだ。
「それまで私は学習や記憶機能の研究をしていたのですが、農研機構へ就職して花に接するようになったのを機に、自分で本を見ながらフラワーアレンジメントに挑戦してみたのです。すると、とても難しく感じたのと同時に、フラワーアレンジメントにはパズルと似た要素があることに気づいたのです」(望月先生・以下同)
この体験がきっかけとなり、望月先生はフラワーアレンジメントをプラモデルのように、パーツ(花)と組み立てる(花を挿す)順序を示すことで、誰にでもできる手法を考案した。
「スポンジのどこに、どの花を、どの順序で挿せばよいのかがわかれば取り組みやすくなると考え、スポンジに〇△□などのマークを入れて、〇にはカーネーション、△には小ギク、□には緑の葉……といったように、決められた場所に決められた順序で花を挿すというマニュアルを作成したのです」