2021年1月6日 11:00
誤嚥性肺炎のリスクにもなる「大人の声変わり」予防トレ
“大人の声変わり”がみられるのはこのためです」(楠山先生・以下同)
のどは、空気を肺に送り、肺から空気を出す「気管」と、食べ物や飲み物を飲み込む「食道」につながっていて、とても複雑な動きをする。
「女性ホルモンは、血流をよくして声帯のむくみを抑えていると同時に声帯の粘液分泌を良好にしています。加齢とともに声のツヤがなくなってくるのは、女性の場合、女性ホルモンの減少が声帯のむくみを起こす以外に、声帯の潤いが不足していることが原因です。声帯は乾燥すると軟らかさが低下するので、規則的で滑らかな振動に影響し、雑音が混ざった、かすれたような声になってしまうのです」
のどはもう一つ、「飲食物を飲み込むとき」の動きがある。
「声帯がピタリと閉じていれば問題ありませんが、閉じ方が不十分だと、食べ物や飲み物がときどき気管に入ってむせることが増えてきます。これを『誤嚥』といい、誤嚥が重なると『誤嚥性肺炎』を招いてしまいます」
「誤嚥」のほかにも、「運動したわけでもないのに息切れがする」というのも、声帯の閉じ方が悪くなったことで起こる変化かもしれない。また、意外かもしれないが、腕の力と声帯は関連していて、「重いものを持つとき、力が入らず踏ん張れない」