2021年2月3日 11:00
認知症予防に医学部教授がすすめる「脳内メモ」「1分音読」
「『記憶力は加齢とともに低下する』と思われていますが、大きな誤解です。脳を育てる要素はじつはふだんの生活のなかにたくさんあり、ほんのちょっと行動を変えるだけで、脳は活性化します」
そう語るのは、認知症予防が専門の医師で東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授。瀧教授は、認知症リスクを下げる「セルフトレーニング」を提唱している。
「認知症とは記憶力をつかさどる海馬の萎縮が始まり、脳全体に広がることで日常に支障をきたす状態を言いますが、近年の研究で大人になっても海馬で神経細胞が増えることがわかりました。さらに、神経細胞同士のつながりを強くすることで情報処理能力が高まるといわれています。これを“脳の可塑性”と呼び、最近注目されています」(瀧先生・以下同)
脳の健康を保つキーワードは大きく3つあるという。1つ目はいくつになっても「知的好奇心を持つ」こと。2つ目は「運動」。
そして3つ目は「人とコミュニケーションを交わす」ことだ。
「ふだんの生活のシーンにも、脳を鍛えるチャンスはたくさんあります。たとえば、コロナ禍で友達とおしゃべりする機会が少なくなった人も多いと思いますが、そんなときこそお勧めなのが“1分間音読”です。