2021年2月17日 06:00
花粉の季節…免疫機能低下のリスクとなる「乾燥」に注意
体調を整えて免疫力を高めることに加えて、ウイルス対策の観点からその重要性が注目されているのが、鼻の中のメンテナンス(鼻メンテ)だ。コロナ禍に追い打ちをかけるようにやってくる花粉の本格シーズンを前に、鼻を健全に保つことが欠かせないという。
鼻には“空気清浄機”のような役割があり、その機能を最大限生かすことが身を守ることにもつながると、たなか耳鼻咽喉科の田中伸明院長は話す。
「鼻には、外気を調整して肺が呼吸しやすい温度と湿度に整える機能と、異物などを取り除く機能が備わっています。『鼻孔』(鼻の穴)から入った空気は左右の鼻腔を通過して鼻の突き当り、のどの上にあたる『上咽頭』で合流して、のどから肺に向かって流れます。上咽頭はウイルスを含んだ空気がたまりやすい場所で、粘膜下にリンパ球などの組織が発達しています。このリンパ組織の集合体が“扁桃”で、呼吸によって鼻や口から入ってくる異物を捉え、気管や肺への侵入を防ぐ免疫機能を持っています」
上咽頭の表面は、細かい毛の生えた「繊毛上皮細胞」に覆われていて、多数のリンパ球が間に入り込んでいる。
「健康な状態であれば、ウイルスや細菌が入り込んでも、繊毛上皮細胞がベルトコンベヤーのようにウイルスを胃に流し込み、胃酸で死滅させるので感染にはいたらないことが多いのですが、繊毛上皮細胞は敏感な組織で、乾燥した状態が続き、傷んでしまうと免疫機能が低下します。