医療機関から“長生き”の提言「地域の“健康格差”にも目を」
人生100年時代、できるだけ最期まで健康な状態を維持しながら生きたいと誰もが願っている。
「日本人の平均寿命は延び続けていますが、自立した生活が送れる“健康寿命”との間には隔たりがあるのが現状です。がんや心疾患、脳卒中、糖尿病には共通の要因があるので、長生きするためにまず心がけるべきことをまとめました」
そう語るのは、国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究部の井上真奈美部長。今年2月、国立がん研究センターや国立循環器病研究センターなど6つの国の医療機関(※)が健康で長生きするための「10の提言」(9項目+S)を発表した。さまざまな病気にまたがっての予防の提言は、国内初となる試みだ。
「“健康によい”という情報はたくさんありますが、不確かなものも多いため、394のエビデンス(科学的根拠)をピックアップしました。今すぐにできることから実行に移してみてください」(井上部長・以下同)
国の医療研究の最先端を行く6つの機関が議論を重ねて厳選した「10の提言」から5つを見ていこう。
■ストレスをためない。
しっかり睡眠を取る
睡眠不足やストレスはうつ病のほか、循環器病、高血圧、肥満など不健康の元凶に。