食欲を低下させる研究も…「食前レモン水うがい」のすすめ
長引く巣ごもり生活の影響で、すっかりメタボ体形になってしまい、「何をやっても全然やせない!」と、嘆く人が続出している。
「激しい運動やキツい食事制限をしなくても、無理なくダイエットできる方法があります」
そう語るのは、『「デブ味覚」リセットで10日で-3kg!レモン水うがいダイエット』(あさ出版)の著者で歯科医師の宮本日出先生。1日3回、食事をする5分前に“レモン水”でうがいをするだけで、健康的にスリムになれるという。
「コロナの自粛中に太ってしまったというある患者さんから『口腔のしくみを利用したダイエットの方法はないか?』と相談されたのがきっかけで、この方法を考案しました。舌には味蕾細胞という味覚センサーがあり、苦味や酸味、塩味、甘味といった食べ物の味を感じ、脳に伝える機能があります。いくつかの論文では、レモンに含まれる酸味の成分が味覚センサーでキャッチされると、苦味に敏感になり、食欲を低下させる可能性があると指摘していました。そこで、昨年の冬に、メタボ気味の私自身が、レモン水うがいにチャレンジしてみたのです」(宮本先生・以下同)
ビールとともに、ラーメンとギョーザ、あるいは焼きそばや麻婆豆腐などこってり系の食事を取ることが多かったという宮本先生は、レモン水うがいを始めてから、食欲が抑制されるのを感じて、味覚も変わり、薄味のものをちょっと食べるだけで満足できるようになったという。
「私の身長は170センチで、体重は79.8キロあったのが、レモン水うがいを始めてから1週間で2.4キロ体重が減って、その後も続けていたら3カ月で11.3キロも減りました。
『やせたい!』と思っている患者さんや友人にすすめると、ほとんどの人がダイエットを始めて1~2日で食欲が抑えられて、3日目ぐらいから体が軽くなってきたと、喜びの報告が寄せられました」 なかには10日間で3キロやせた30歳の女性も!
■レモン水の“酸味”で“デブ味覚”をリセット
肥満の人は味付けが濃く、脂肪の多い食事を好む“デブ味覚”になっていると医学的にもいわれている。
「味覚が鈍感になると、脂肪の味『脂肪味』を感じにくくなり、さらに脂肪分の多い食べ物を好んでますます太るという“負のループ”に陥ってしまいます。そこで、舌で苦味を感じることができれば、苦味がストッパーの役割を果たし、甘味などを感じる機能が弱くなり、食欲がセーブされるといった好循環が生まれてきます。少しずつ食生活が変わることで、自然と体もスリムになります。もちろん、無理な食事制限をしていないので、リバウンドもしません」
「レモン水うがい」が、デブ味覚をリセットして「やせ味覚」を育てるというのだ。
【レモン水の作り方】
(1)コップに常温の水100ミリリットルを入れる。
(2)市販の濃縮還元100%のレモン果汁を小さじ1(5ミリリットル)入れる。
(3)濃度が均一になるよう、よくかきまぜる。
【レモン水うがいの手順】
(1)作ったレモン水の約3分の1(約30ミリリットル)を口に含み、5秒かけてレモン水が舌全体に広がるように舌を動かす。
(2)唇を閉じたまま、両方の頬をふくらませたりすぼめたりして、5秒間「ぶくぶくうがい」をする。
(3)今度は頭を後ろに傾け5秒間「がらがらうがい」をする。終わったら、レモン水を吐き出す。
(1)~(3)を3回、3度の食事の5分前に行うだけ。
「レモン水うがいをするときには、いくつか注意点があります。レモン果汁の濃度は5%前後にしてください。それより濃くなると口の中が痛くなってうがいが苦痛になります。
反対に濃度が薄いと、苦味に対して敏感にならないので食欲を抑制できません。また、レモンは酸性なので、食後も口の中が酸性に傾きます。酸は歯を溶かしやすくするので、食後はなるべくフッ素入りの歯磨き粉で歯を磨くようにします」
基本的にダイエット期間中は、おやつなどの間食は控えよう。ガマンできずに間食するとしても、その前のレモン水うがいは控えて、3度の食事前だけにするように。
さっそくコロナ太りに悩む、本誌記者もトライ!
レシピどおりに作ったレモン水でうがいをすると、夕食時の“ドカ食い”が収まり、夕食後は食べ物を口にしなくなった。デスクワーク中心なので、コーヒーのお供におせんべいなど間食をするクセがあったが、一切なくなった。
体重の減少はゆるやかだが、今も無理なく続いている。今度こそ、レモン水ダイエットで、健康的な体形に近づけていこう!