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医学博士が提案「坐骨神経痛に『椅子ボール』ストレッチ」

女性自身
医学博士が提案「坐骨神経痛に『椅子ボール』ストレッチ」


冬の訪れとともに、なんだか腰の痛みが増してきた気がする……。坐骨神経痛をはじめとした腰の痛みは、病院だけではなかなか回復しない。毎日続けるストレッチこそが近道な場合もあるーー!

「最近、脚や腰のしびれや痛みに悩まされる人が増えています。コロナ禍で座る時間が増えたことがその理由ではないでしょうか」

こう話すのは、日本医科大学千葉北総病院脳神経センター准教授の金景成先生だ。

坐骨神経痛の分類は、ヘルニアや脊柱管狭窄症のように背骨の下部分の腰椎に原因があって下肢に痛みやしびれが生じるものから、筋肉の硬化、骨のズレなどによって痛みが生じるものまでさまざまあるが、特に下肢に痛みやしびれが生じる場合は、診断がつきにくいものや回復に時間がかかるものも少なくないという。

治療法は痛み止めなどの飲み薬や貼り薬、注射のほか、サポーターやコルセットなど器具が必要になる場合もあるが、ストレッチだけでかなり改善する症状もあるそう。

「長く座っていることで症状を発する梨状筋症候群は、坐骨神経痛の中でも正しい診断がされにくいもののひとつで意外と患者さんが多くいます。しかし、実はストレッチがよく効く症状のひとつなのです」(金先生・以下同)

梨状筋症候群は、お尻の外側の筋肉が硬くなってその部分に痛みが生じるものだ。
お尻を指で押してコリコリとソーセージ状の筋肉が指に触れたら梨状筋症候群の可能性が高いそう。

■ポイントは血の流れ!

硬くなった筋肉をほぐそう 座位姿勢のときに痛みが生じやすいのだが、座った状態を利用してストレッチをすることで、症状の改善も期待できるのだそう。

「痛みの原因は、硬くなった筋肉が座る動作により押しつぶされて神経が圧迫されるから。しかし、梨状筋症候群はストレッチをすることで筋肉がほぐれ、痛みの原因となっていた部位の血流が改善され、症状が和らぎます。ほかの坐骨神経痛についても、直接的に痛みが消えることはなくても、ストレッチをすることで痛みの緩和が期待できます」

同じ“椅子に座る”でも、ストレッチすることで痛みの緩和に。そこで、2つのストレッチを紹介しよう。

【「椅子キープ」ストレッチ】

(1)椅子に座り、両脚を抱え込む。そのまま20秒キープする。
これを10回繰り返す。(2)片脚ずつ抱え込む。そのまま20秒キープし、これを10回繰り返す。反対側の脚も同様に。

【「椅子ボール」ストレッチ】

(1)椅子に座り、お尻の痛みやしびれのある部分にテニスボールを挟む。太ももの裏側の筋肉をストレッチできる。
(2)ボールを挟んだ姿勢のまま、ボールを挟んでいる側の脚を内旋(ひざが内に向くようにねじる)し、10秒キープ。次に外旋(ひざが外に向くようにねじる)し、10秒キープ。
これを10往復する。

※運動指導:理学療法士・畝本みどり

椅子に深く腰掛けて、骨盤を起こした姿勢で、ゆっくりギューッとイタ気持ちイイくらいの力加減で10〜30秒ほど続けるのがコツ。じっくりと筋肉を伸ばすことで血流が促進され、体も温まる。

「私たちの筋肉は加齢と共に硬くなりがちです。多くの人が健康維持のためにウオーキングやゴルフなどの運動を始めるのですが、実は運動だけを一生懸命していても、ストレッチをしなければ筋肉は硬いままで、逆に足腰の痛みやしびれにつながりかねません。それほどストレッチは大切なのです」

テレビを見ながらなど「ながら」で10〜30秒、あるいは10回を1セットとし、1日3〜5セットを毎日続けてみてほしい。

梨状筋症候群だけでなく、ほかの坐骨神経痛の症状緩和にもこれらのストレッチは有効だそう。痛みがこたえる寒い季節。
日々の椅子ストレッチを実践しよう!

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