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実は4タイプある――専門医が教える「冷え症」タイプ別診断

女性自身
実は4タイプある――専門医が教える「冷え症」タイプ別診断


「暖房を入れていても手足が冷たくて、ちっとも温かくならないんです」(52歳・主婦)
「手は温かいんですが、おなかあたりが寒くて、いつも張っている感じがします」(49歳・主婦)

読者からはこんな声が。3月に入り、次第に暖かい日も増えてきたが、それでもいっこうに「冷え」が解消されないという人も多いのではないか。

「『冷え』は日本女性の約7割が悩んでいる症状といわれていますが、西洋医学では『冷え性』と書くように、病いと見なさず軽視されがちでした。しかし東洋医学では『冷え症』と書くように、『冷え』は治療すべき重大な症状のひとつなのです」

そう教えてくれたのは、北里大学東洋医学総合研究所・北里大学客員教授の伊藤剛先生だ。

■血流の問題だから温めても改善しない

「これまでの『冷え症』に関する情報も、実は誤りが多い。他人が触れて冷たさを感じなくても、本人が『冷えがつらい』と苦痛に感じたら『冷え症』です。つまり冷え症とは主観的な自覚症状なのです。これを放置すると、生活の質が下がるばかりか、さまざまな疾患の誘因や悪化の原因になります」

消化器内科医と、東洋医学の専門家の伊藤先生は、日本最初の「冷え症外来」で20年以上にわたり、現代医学の観点から研究を続けてきた。


その結果、「冷え」や「冷え症」にはさまざまなタイプがあることを解明した。自分がどの冷え症タイプなのかを、次のチェックシートで調べてみよう。

■冷え症のタイプ別診断(※伊藤先生監修のもと本誌作成)

【Q1】ふだんの手足の状態は?…(2点)

〈A〉手と足が氷のように冷たい
〈B〉足は冷たいが手は温かい
〈C〉触ると手も足も温かい

【Q2】ふだんの汗の状態は?…(1点)

〈A〉あまりかかない
〈B〉顔や頭にかきやすい
〈C〉全身にかきやすく冷えやすい

【Q3】ふだんの食事量は?…(1点)

〈A〉少なめ
〈B〉普通
〈C〉多めのときもある

【Q4】寒いところにいると、どこがもっとも冷えやすい?…(1点)

〈A〉手と足の指先
〈B〉足やふくらはぎ
〈C〉下腹や太もも

【Q5】冷えのほかに起こりやすい症状は?…(1点)

〈A〉頭痛
〈B〉顔のほてり
〈C〉お腹の張り

質問の答えに該当する〈A〉〈B〉〈C〉の箇所に点数を書き入れて、最後に〈A〉〈B〉〈C〉別に点数を合計する。

もっとも高い点数が〈A〉の人:四肢末端型 冷え症
もっとも高い点数が〈B〉の人:下半身型 冷え症
もっとも高い点数が〈C〉の人:内臓型 冷え症
もっとも高い点数が〈A〉で、なおかつ腋の下で測る体温が常に低い人:全身型 冷え症

4つのタイプの冷え症がどういうものかを、伊藤先生に教えてもらった。

【四肢末端型 冷え症】

「痩せ形で、食事の摂取量が少なく、ダイエット志向の強い若い女性に多くみられるタイプです」

文字どおり「手や足の末端が氷のように冷えてしまう」冷え症だ。

「食事量や運動量の不足によって、体内で作られる熱が少ないことなどが原因となります。熱量が不足すると、体温を守るため、脳は過剰防御的に手足などの末端の血管を収縮させ熱の放出を防ぐ。その結果、四肢に熱が行きわたらなくなり冷えるのです。
血管が収縮しているので、カイロや湯たんぽ、靴下の重ねばきなどでいくら四肢を温めても、根本的な解決になりません」(伊藤先生・以下同)

【下半身型 冷え症】

「下半身が冷え、上半身がのぼせると『冷えのぼせ』という状態になります。男女ともに中高年に多く、最も多いタイプです」

伊藤先生が診察をしている冷え症外来にくる人の50%が「下半身型」、25%がこれとほかの型の冷え症の混合型だという。つまり、冷え症に悩む75%の人が下半身型の症状を抱えている。

「腰からお尻、ふくらはぎの筋肉が硬直し、下半身の血流を調節する交感神経を緊張させ、血流が低下することが一因です。臀部での圧迫がさらに強まると、座骨神経痛を引き起こす場合もあります」

痛みも伴う場合は……。

「閉塞性動脈硬化症など、動脈硬化から起こる血行障害の可能性もあるので、必ず検査を受けてください」

【内臓型 冷え症】

「手足や体表面は温かいが、体の内部、特に下腹部(腸など)が冷えるタイプ。中高年の女性に多く、体質的には、交感神経の働きが弱い人や、アレルギー体質の人に多い傾向があります」

腹が冷え、腹部に張りのあるガス腹の人は要注意。

「体質由来以外にも、虫垂炎や子宮内膜症などの腹部の手術による、癒着や血流障害が症状を引き起こしていることもあります」
【全身型 冷え症】

「体の全身が冷えてしまうタイプを全身型冷え症といいます。
局所の冷えよりも寒気を感じることがあります」

伊藤先生の冷え症外来の患者のうちの約5%と多くはないが、「若年層や高齢者に比較的みられる」という。

「原因は、体内の熱が極端に少ないことです。基礎代謝が低下したり、体温を上げる働きが低下したりするため冷えるのです。ストレスや不摂生な生活が要因になっている場合もあります」

【PROFILE】

伊藤剛先生

北里大学東洋医学総合研究所・北里大学客員教授。冷え症の専門家で、「冷え症外来」の第一人者でもある

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