肩こり、頭痛だけじゃない…医師警鐘「“鼻の奥の炎症”が認知症を招く」
リンパ液は脳の老廃物などを洗い流す排せつの役目を担っており、停滞すると脳の機能異常をきたし、そこから全身症状が出てきてしまうのです」
堀田先生の話によると、慢性上咽頭炎は、認知機能の低下とも深く関わっている可能性があるのだという。
認知症の6割以上を占めるアルツハイマー型は、脳内に蓄積する「アミロイドβ」というタンパク質の「ゴミ」が発症の原因のひとつとされている。
「脳の中には、脳脊髄液という液体が流れアミロイドβなどの老廃物を洗い流します。とくに睡眠中は脳のグリア細胞が縮むことで脳脊髄液がスムーズに流れ、しっかり洗い流してくれるのです。ところが慢性上咽頭炎になると自律神経が乱れ、睡眠の質も低下。脳のゴミをきちんと洗い出せなくなってしまいます」
こうしたことから、慢性上咽頭炎が、認知機能低下のリスク要因になるかもしれないのだ。
堀田先生には次のような実体験があるという。
「93歳になる私の母は、3年ほど前から記憶力が低下し、話す内容が理解できないものだったりと、認知症の初期症状が見られました。
そこで、母に慢性上咽頭炎の治療法で、塩化亜鉛溶液に浸した綿棒で上咽頭を刺激する『EAT』(上咽頭擦過療法)