診察なしで薬がもらえる「リフィル処方箋」制度が開始 利用時の注意点を解説
“お薬受診”をする患者には、メリットばかりのような気がするリフィル処方箋だが、医師は“病状悪化”のリスクを指摘する。
「診察回数が減ることで、患者さんの微妙な変化を感じ取りにくくなる可能性があります」
そう語るのは「ファミリークリニックこころ」(札幌市)の院長、中木村繁医師。
「たしかにふだんの診察時間は限られます。けれどそのなかでも私たちは、患者さんが入室してきたときの動きや表情、声の力や感じ、何か隠している症状はないかなど確認したうえで、最終的に同じ処方をしているケースも多いです。患者さんにささいな変化があれば、それに合わせて薬を変えることもあります。リフィル処方箋によって、患者さんの症状悪化の変化を見つける機会が減ってしまうことが危惧されるのです」
■医師の代わりに薬剤師との関係が重要に
医師の診察機会が減る分、患者は自分で自分の健康状態に向き合うことが求められる。しかし、中木村医師はそれができる人ばかりではないと感じているという。
「高血圧症の患者さんのなかには、受診時しか血圧をはかっていない人もいます。
高脂血症の患者さんだと、食事管理がしっかりできていない人も少なくない。