都道府県で違いが…要介護認定の割合が高いのは大阪府
「うちの県は認定されやすい」「うちはされにくい」。介護関係者の間で、しばしばそのような会話があるという。要介護認定を受けやすいのはどの都道府県なのだろうかーー。
「ある県の介護事業者は『これまでよりも要介護認定を受ける人が減っていると感じています』と言っていました。近年、全国的に要支援、要介護の認定が抑制されており、これまで受けられたサービスが、受けられなくなるケースが出ています」
こう語るのは『図解ポケット 30分でわかる! 介護保険の上手な使い方』(秀和システム)などの著者で、介護施設のコンサルティング業務などを行う「スターパートナーズ」の齋藤直路さんだ。
要介護認定には要支援1〜2、要介護1〜5の要介護度がある。
要介護度が高くなるほど、受けられる介護サービスは多くなるので、要介護認定は介護を受ける人にとっても、介護する家族にとっても大事な問題だ。
だが、高齢化による介護費用の増大を受け、全国的に要介護認定の“抑制”が行われているという。
今までなら、認定を受けられたような人に「非該当」の判定が出たり、予想よりも低い要介護度の判定が出たりしているとの声が現場からあがっているのだ。
「しかも、“抑制”の度合いは都道府県によって差があるのです」
図の表を見てほしい(画像参照)。厚生労働省の最新データをもとに、各都道府県で65歳以上の人(第1号被保険者)のうち、要介護認定を受けている人の割合をランキング形式で示したものだ(要支援認定者を含む)。
「1位の大阪府(23.04%)の『要介護認定率』は、最下位の茨城県(15.93%)のおよそ1.5倍です。大阪府は以前から“認定が取りやすい”自治体といわれています。しかし、医療保険と違って、介護保険サービスは要介護認定されなければ利用できないものです。社会保障ですから、本来は住む地域によって認定率が大きく変わることは、望ましくありません」
こうしたばらつきが出る背景には、都道府県ごとの方針や財政の状況に違いがあるという。
「介護保険は、私たちが納める介護保険料と、国や都道府県、市区町村の財源によって支えられています。
当然、住んでいる地域が財政難であれば、認定が出づらくなる可能性があることは、否定できません」
ただし、注意が必要だ。
「行政が高齢者への食事指導をしたり、フィットネス企業と組んで健康体操を普及させたりと、要介護にならないように、自立支援に力を入れている地域もある。認定率が低いからといって、一概に介護に予算を割いていない自治体とも言い切れないのです」
逆に、そうした事業を行っている気配がないのに認定率が低い自治体は、介護政策に力を入れていないと見てもいいかもしれない。
介護困窮者の激増が予想される将来、自治体ごとの特色を知ることも必要なのだ。
■【図解】都道府県別の要介護認定率9〜47位
※表は厚生労働省の「介護保険事業状況報告(暫定)令和4年1月分」より都道府県の第1号被保険者数(65歳以上人口)に占める要介護認定者数・要支援認定者数の割合から算出。資料作成「スターパートナーズ」。
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