2023年4月12日 11:00
便秘薬常用で認知症の発症リスク高まる可能性…英最新研究が発表
それが認知症や血管障害などの形で、脳に悪影響を与える可能性が考えられるというわけです」
更年期以降、便秘になる女性は急増するうえ、高齢になるほど便秘は慢性化しやすい。その結果、便秘薬を長年使用することになるケースは少なくない。
「高齢者施設では7割以上の人が下剤を日常的に飲んでいるのではないでしょうか。安易に下剤に頼るのではなく、食事指導をするなど生活習慣を変えることで改善される部分もあります。便秘に悩む人はとにかく繊維質が足りていません。食物繊維を含む野菜、海藻類、こんにゃくなどをしっかりと食べることが大切なのです」
ただ、どれだけ食物繊維を取ってもそしゃくが足りなければ効果は半減してしまうのだそう。
「唾液の分泌が十分でなく、栄養がきちんと吸収されず腸内細菌に生かされないまま排せつされてしまうからです。栄養効果を損なわないためにも、しっかりとよくかむことがとても大切です。
食物繊維の豊富な食事をしっかりと取るためにも、お菓子や甘いものの食べすぎは控えていただきたいですね。また、適度な運動が腸の蠕動運動を促すので、定期的な運動習慣も不可欠です」
下剤のほか、睡眠薬や抗うつ剤が認知症を招くという研究結果もすでに出ている。