ついついやってしまう“豆腐の残念な食べ方”せっかくの健康効果が無駄に!
こう語るのは、東京大学医学部附属病院放射線科の中川恵一特任教授。がん予防のメカニズムはどのようなものなのか。
「乳がん細胞は、女性ホルモンのエストロゲンと結合して、がん細胞の分裂・増殖を促します。大豆製品に含まれる大豆イソフラボンはこのエストロゲンと化学構造が似ているため、エストロゲンと勘違いした乳がん細胞の受容体が結合して、エストロゲンをブロック。がん細胞の増殖が抑えられるのです」(中川先生)
さらに、豆腐に豊富に含まれる大豆イソフラボンには、大腸がんや肺腺がんのリスクを下げるという研究も報告されている。
武庫川女子大学国際健康開発研究所の家森幸男所長(京都大学名誉教授)が解説する。
「がん細胞は、健康な人の体の中でも毎日発生しています。免疫などによって退治されずに残ったがん細胞は、新しい血管を作る『血管新生』を起こして、血液中の栄養を吸収し増殖しますが、大豆イソフラボンにはこの『血管新生』を抑える効果があり、がん細胞が栄養を取り込むことができなくなるのです。
また血中で女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンは、血管の内皮細胞の遺伝子に働きかけて一酸化窒素を作り出します。