(萩原先生、以下同)
ではなぜ、足首がゆるむと腰痛が起こるのだろうか?
「そもそも腰椎から延びる坐骨神経は、枝分かれを繰り返し、足の末端までつながっています。足首がゆるむと、走ったり歩いたりの動作で体重がかかるときに、足首が傾いて足首まわりを通る末端の神経が引っ張られたり、圧迫されて傷つき、その痛みの信号が坐骨神経を伝って送られることになります。これを『放散痛』といいます。
私は、この『放散痛』が腰痛や坐骨神経痛として感じられるのではないかという仮説を立てたのです」
■腰痛患者の半数以上に足首のゆるみが認められた
そこで萩原先生は、多数の腰痛の臨床データを取り、患者さんに治療を行った。その結果、半数以上の人々に足首のゆるみが認められ、それを矯正することで痛みやしびれなどの症状が改善したという。
それからというもの、先生は腰痛の検査をする場合、第一に腰椎の検査をし、第二に足首のゆるみを確認している。足首のゆるみに腰痛の原因がある場合、これを防ぐいちばんの方法が足首テープだと、萩原先生は語る。
なお、腰痛の原因が足首のゆるみとは限らないので、足首テープを行う前に、腰痛の原因が足首かどうかをチェックしておきたい。