「私がいないと回らない…って本当にそうですか?」91歳の心療内科医が教えてくれた“ほどよく忘れる”という生き方
「ああ、この人はそう思っているのか」「そうか、そういう考えもあるのか。自分はそれについてどう思うだろう」と、相手との間に境界線を引くことができれば、「誰かの何気ない言葉」を真に受けて苦しむことはなくなります。
以前、クリニックに「会社で自分の悪口を言われているのではないかと不安で眠れません」という方がお越しになりました。お話を聞くうちに、あることないことをあちこちで話すお局さんの存在が見えてきました。私は、「堂々としておられたらいいですよ」とお伝えしつつ、意識が過敏になってしまう心のケアをと、漢方薬を処方しました。
うわさ話というのは、槍玉に挙げられている人よりも、不確かな情報で人を貶めようとしている人の品格の問題です。そのような相手のご機嫌をとろうと、自分の大切な時間を注ぎ込む必要はありません。自分の心を守るためにも、さっさと距離を置いて、その人の存在をできるかぎり忘れてしまうことです。
■「してあげる」は忘れる
<誰かになり代わって、課題を解決することはできません。いい人のふりをして、勝手に取り上げてしまわないことです>
「人の悩みごとばかり聞いていて、心が折れることはありませんか」