「週3便秘」で認知症リスクが増加!腸内環境の悪化で脳にダメージが
では、どのように腸が脳に作用するのだろうか。 「腸と脳とは“脳腸相関”といって、腸内細菌叢が互いの機能に影響を及ぼすことが報告されています。特に便の腸管での通過時間の遅延が関係するようです。
便が長時間、腸内にとどまっていると、腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸が減少し、腸壁が薄くなります。それが酸化ストレスを引き起こし、また、全身性の炎症を発生させます。
これが、排便習慣が認知症のリスクと関係する一つの理由と考えられています」
腸内細菌が脳の迷走神経(脳神経のなかで唯一、脳から腹部にまで達し、複雑で長い走行をする神経)に影響を及ぼし、さまざまなストレスを伝えることも報告されている。
排便と認知症リスクに相関があることがわかると、やはり排便を習慣化させる重要性は無視できない。それには生活習慣の見直しが大切だ。
特に前述のように、女性は若い世代から便秘に悩まされる傾向があり、さらに高齢になるほど便秘傾向の人が増える。腸の動きが不活発になったり、便を押し出す力が低下したりすることに加え、水分摂取量が減少したりと、体内機能の衰え以外にも生活習慣上のさまざまな理由がある。
予防策としては、生活リズムを整えた規則正しい生活、ウオーキングなど日々の適度な運動、バランスのよい食事を取ることが重要だ。