体内時計のズレから不調の原因に…「30分超の昼寝」がメタボを招く
今年4月には「昼寝の習慣があり、その時間の長い人は肥満のリスクが高い」という研究が発表された。米国とスペインの研究グループは、スペインなどの地中海地域に住む人約3千300人を対象に調査を行った。その結果、昼寝時間が30分超の人は、昼寝をしない人に比べて肥満度や血圧が高く、メタボリック症候群のリスクが1.4倍に上昇していた。
いっぽうで昼寝を30分未満にとどめている人は、昼寝の習慣がない人に比べて血圧が低い傾向が確認されたという。
「私も同様の調査研究をハーバード大学客員研究員として行いましたが、昼寝とメタボの詳しい因果関係については継続して研究中です。対象者の生活習慣から読み取れるのは、夜に寝るのが遅いことが、健康に悪影響をおよぼしているということ。人の体には『体内時計』が備わっていて、昼間は交感神経が優位になり、脳の活動が活発になり、体温や血圧、心拍数は最高値になります。夜間は副交感神経が優位になり、体温などはもっとも低くなります。
同時に、成長ホルモンが分泌されます。このような1日の周期を『サーカディアンリズム』といいます。昼寝が長すぎると、このリズムが狂ってしまい、自律神経の乱れを引き起こしてしまうのです」