中高年女性を悩ます「足のボコボコ血管」…改善には食生活の見直しを
(阿保院長、以下同)
また、近年は下肢静脈瘤の予防や改善につながる栄養素に関する研究報告が相次いでいるという。
「下肢静脈瘤の予防には静脈の血管壁を強化して、血管の拡張を防ぐことが重要です。そばや玉ねぎなどに含まれるポリフェノールの一種『ルチン』には、抗酸化作用や血管強化作用があり、血管壁を強化して拡張を防ぐことがわかっています。ビタミンB群やビタミンDも同様に血管壁を強化します。
また、血液の逆流により静脈の脆弱な部分が刺激を受け、新たに病的な血管が作られる現象を『血管新生』といい、静脈瘤を引き起こす原因になっています。この『血管新生』を阻害する栄養素の1つが、ポリフェノールの一種『アントシアニン』で、ブルーベリーのほか、いちごやカシス、ぶどうなどに含まれます」
血管内皮の酸化ダメージや炎症の原因となる「活性酸素」を取り除くには、ビタミンA、C、Eが豊富な食材や、ポリフェノールが含まれる赤ワインなどが効果的だ。「意外に思うかもしれませんが、下肢静脈瘤に便秘は大敵。便で膨らんだ腸が臓器を圧迫して、腹圧を上げるとともに血管の内圧が上がるので、静脈に負担をかけてしまいます。
バナナなど食物繊維が豊富なものを取り、ふだんからおなかの調子を整えておきましょう」