ところが公的制度は、ただ待っていても受けられない。
「基本的にはセルフサービスなので、自分で申請する必要があります。だからこそ、どのような制度が利用できるのか知っておく必要があるのです」(黒田さん・以下同)
シチュエーションごとに、利用できる公的制度やもらえるお金を解説してもらおう。
【がんになった!】
→公的な支援制度を知りたい
「がん」と診断されたら、まずは公的助成金や支援制度を確認し、お金の不安を軽減させたい。
「がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターや、各医療機関の相談窓口などでは、ソーシャルワーカーや看護師が常駐しています。その病院の患者でなくても、利用できたりします」
日本対がん協会の「がん相談ホットライン」でも、お金や仕事、医療者との関わり、気持ちを聞いてくれる。
【お金で困った】
(1)治療費が払えるのか不安だ
がんといえば、入院、手術、抗がん剤や放射線による治療、その後の経過観察……と、立て続けに医療費が降りかかる。「ぜひ利用したいのは、高額療養費制度。
1カ月に病院や薬局で支払った医療費が上限額を超えた場合、超過分が返ってきます」
収入によって『上限額』の計算方法は異なるが、たとえば100万円の医療費がかかった場合、年収が約370万円〜約770万円の世帯では8万7千430円、年収770万円〜約1千160万円の世帯では17万1千820円を超えた医療費が返金される。