「注意点としては3割負担(現役世代の場合)となる医療費が対象で、入院中の病院食や差額ベッド代、自由診療、先進医療などは対象外です。還付されるまで3カ月ほどかかるので、それまでの医療費や生活費を預貯金などで賄う必要があります」
(2)抗がん剤や経過観察などで、治療が長引いてしまっている
治療期間が長くなるケースも多いがん。高額療養費制度を利用できても、複数月、それが重なれば負担も大きい。
「同じ世帯で、1年間で高額療養費制度を3回利用した場合、4回目からは『多数回該当』となり、上限額がさらに低くなります。たとえば年収約370万円〜年収約770万円の世帯では4万4千400円を超えた医療費は返金されます」
(3)会社員だが、さらに優遇される制度があると聞いた
会社員の場合、公的サービスよりもさらに優遇された組合健保などの制度を利用できる場合がある。
「組合健保などの付加給付です。福利厚生が充実した大企業の場合、高額療養費制度の上限額を2万円〜2万5千円に抑えている健保もあります。その場合、高額療養費制度の上限額の差を受け取ることができます」
(4)医療費と交通費で年間10万円もかかってしまう
入院・手術が終わっても、経過観察や抗がん剤治療のために通院が続き、高額療養費制度の対象とならない細かい医療費が、積み重なっていくケースは少なくない。