インフル大流行のなか「せき止め」が在庫不足に…解消は来春以降か
せき止め薬、痰を切る薬、感冒薬、抗生物質などの在庫不足が顕著だという(写真:アフロ)
「ある薬局から、医薬品の在庫に関するリストが当院に届いているのですが、せき止め薬はメジコン錠のみわずかな在庫があるものの、ほかのせき止め薬は顆粒、シロップ、錠剤のいずれも在庫切れの状況。せき止め薬と一緒に処方されることの多い痰を切る薬、抗生物質なども軒並み在庫不足です。これまでも短期的に薬が不足することはありましたが、今回のように長期的に在庫不足が続くのは、はじめてではないでしょうか……」
こう語るのはナビタスクリニック立川の久住英二医師だ。季節性インフルエンザの感染拡大が続くなか、感染時のつらい症状を緩和するための薬が足りなくなっているのだという。
「インフルはA香港型が流行しており、これで終わればいいのですが、Aソ連型やB型などが流行する可能性もあります。さらに、1月には新型コロナ患者が増加するでしょう。現状の在庫状況では不安が残ります」(久住さん)
全国的な薬不足に関して、神奈川県立保健福祉大学教授(医薬品政策)の坂巻弘之さんが解説する。
「現在、医薬品は約1万8千品目ありますが、通常どおり出荷できているのはそのうち1万3千600品目で、残りは出荷に支障が生じているという状態です。