凍死は雪山じゃなくて家の中で起きていた!死亡者数も熱中症の約1.5倍
深部体温は脇に挟んで測る皮膚温よりも、1度ほど高く、普通は37度に保たれているが、体熱が奪われ低体温症になると多臓器不全が起き、重症化すると凍死する可能性がある。
■凍死は雪山での遭難に限らず、実際は家のなかで起こるケースが多い
日本救急医学会の全国調査(2018~2020年)によると、低体温で搬送された人の8割が65歳以上。また屋内での発症は約7割を占めていた。冬期の低体温症は北海道や東北地方で起こると思われるが、大阪急性期・総合医療センターに23年1月1日~12月16日までで、低体温症で搬送された人は38人。関西や九州などでも多くの症例が報告されている。
藤見センター長がこう続ける。
「低体温症は高齢者に多いが、中高年でも甲状腺機能低下症、糖尿病など意識を失うことがあるような持病がある人は注意が必要です。人間は恒温動物ですから、寒ければ服を着るなど対処しますが、意識を失って倒れてしまうと、低体温症に陥ることがあります」
12月18日には、大阪急性期・総合医療センターに、徘徊しているときに転倒し、動けなくなって低体温症になった85歳の女性が救急搬送されてきた。
深部体温は25.6度まで下がっていたという。