大谷翔平のメンタルコーチが解説する“前向き思考”の作り方 ポイントは“夜寝る前”にあった!
ここでも大谷選手は西田さんを驚かせた。
「クリアリング能力(嫌なことはできるだけ早く忘れて切り替えられる能力)とサイキックアップ能力(強気に奮い立たせる能力)が、16歳の時点で現役のプロ野球選手以上に優れていたのです」
つまり大谷選手は失敗してもすぐに次によい結果を出すことに100%集中する能力を高校時代から持ち、それをさらに磨き上げていったというのだ。
「試合の内容だけでなく“監督に叱られた”“寝坊した”など日常的なマイナスの出来事がプレーに響くのは野球選手にとってナンセンス。まったく引きずらないメンタルが当時に増して大谷選手の中で構築されてきたと思います」
もうひとつ、西田さんが指摘するのは大谷選手がこれまで多くのケガに悩んできたことだ。
「私が指導した直後の高校2年になる夏の甲子園に出場したときも最速150キロの剛速球を投げながら、骨端線損傷というケガで登板したのは1度だけ。あとは外野を守りました。その後、大リーグに渡った2018年10月には右ひじの手術をうけ、翌年は登板できず打者に専念。昨年も再び右ひじの手術を受け、今年は指名打者としての活躍です。
こうした困難も瞬時に切り替えて前に進めているところが彼のすばらしさだと思います」