“朝起きたら首が痛い”“くしゃみで首痛”冬に激増「ぎっくり首」の予防法が簡単で画期的!
(写真:siro46/PIXTA)
「朝起きたら首が痛くて動かせない」「くしゃみをした途端、バシッと電気が走ったような痛みを感じ、首が固まってしまった」……。
寒くなるとこうした症状を訴える人が増えるが、これらはすべてぎっくり腰ならぬ“ぎっくり首”というものだ。
「ぎっくり首の正式名称は『急性頸部捻挫』といいます。首の筋肉や靱帯が損傷して炎症を起こした状態で、痛みを伴うものです」
こう話すのは、鍼灸整体院WATO院長の野口歩さんだ。
「首を動かすという動作は、全身の筋肉が連動して行われています。そのとき、首に近い背中や胸の筋肉が最初に動くのですが、ふだん使われておらずに固まっていると、首の筋肉に負担がかかりやすくなるのです」(野口さん、以下同)
特にデスクワークなど、同じ姿勢を長時間続ける習慣がある人は要注意。慢性的に姿勢が縮こまって背中の筋肉が硬くなっているところに、冬の寒さが重なって、よりぎっくり首が起こりやすい状況を作り出してしまっているのだ。
「今の季節は冷えますから、夜寝ている間にも背中が凝り固まります。
そんな状況で急に起きると、首の筋肉に特に負荷がかかってぎっくり首が発生する、というわけです。くしゃみなど、急に頭を動かす動作にも注意が必要です」
つらいぎっくり首にならないために、しっかりと伸ばしたいのが“胸側の筋肉”だと野口さん。
「背中が丸くなると胸の筋肉が縮こまって固まるので、まずはここを伸ばしましょう」
今回、野口さんにぎっくり首予防のための対処法を教えてもらった(図参照)。壁に手や指を“チョップ”するように押し当てて、胸の筋肉を伸ばそう。どれも簡単なストレッチだが、かなり伸びを感じるはずだ。ちなみに、ぎっくり首の発症直後であっても、この「チョップストレッチ」はおすすめなのだそう。
「痛みが出たらとにかく冷やす、と言われますが、最近の研究では、炎症の直後に過度に冷やすと痛みが慢性化しやすくなる可能性があると言われています。むしろ、胸や背中といった周辺の筋肉をストレッチすることで、首に負荷をかけずに痛みを改善することができると考えています。
ただ、あまりにも痛みが強い、しばらくしても痛みが改善しないなどの場合は、医療機関や整体院に相談してください」
実際に記者も一通りストレッチを実践してみたところ、上腕、わきの下、肩まわりの筋肉が伸びて、スッキリと軽くなった。1日1分のストレッチ、ぎっくり首予防のためにも毎日実践してみよう!